神奈川県横浜市港北区の児童ポルノ事件
18歳未満の児童を対象とした性的な行為が問題となる場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部が解説致します。
【ケース】
神奈川県横浜市港北区在住のAは、横浜市港北区の会社に勤める会社員です。
Aは、インターネットのSNSサイトを通じて知り合った16歳の少女Vと連絡を取り合うようになりました。
その後、Vと仲良くなったAは自己の性欲を満たす目的で、Vに対して「裸の写真を送ってくれないか」とお願いし、Vから裸や陰部を撮影した画像数枚をAにSNSで送信しました。
後日、横浜市港北区を管轄する港北警察署の警察官がAの自宅に来て、児童ポルノ製造による児童買春、児童ポルノ禁止法違反で通常逮捕しました。
Aの家族は、初回接見に行った刑事事件専門の弁護士に対し、Vが任意で送った裸の画像を保存していたことで児童ポルノを所持していたことになるのか、このまま裁判になるのか、略式罰金の可能性があるのか、弁護士に質問しました。
(フィクションです。)
【児童ポルノとは】
児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律(通称:児童買春・児童ポルノ禁止法ほか)によると、「児童」の定義は同法2条1項で「十八歳に満たない者」と定められています。
そして、児童ポルノとは、写真、電磁的記録に係る記録媒体その他の物であって、①児童を相手とする性交又は性交類似行為を撮影したもの、②他人が児童の性器等を触る行為又は児童が他人の性器等を触る行為を撮影したもので、性欲を興奮させるか刺激するもの、③衣服の全部又は一部を着けない児童の姿を撮影したもので、児童の性的な部分が露出又は強調されていて、性欲を興奮させるか刺激するもの、と定められています。
性欲を興奮させるか刺激するものに限定されているため、例えば芸術目的や医療などの目的であると認められれば処罰の対象外となります。
【児童ポルノに関して問題となる行為】
児童ポルノが問題となる行為と法定刑は下記のとおりです。
・自己の性的好奇心を満たす目的で、児童ポルノを所持した⇒一年以下の懲役又は百万円以下の罰金
・児童ポルノを提供した⇒三年以下の懲役又は三百万円以下の罰金
・提供する目的で児童ポルノを製造・所持・運搬・輸入・輸出した⇒三年以下の懲役又は三百円以下の罰金
・児童ポルノを不特定・多数の者に提供した、あるいは公然と陳列した⇒五年以下の懲役若しくは五百万円以下の罰金
・児童ポルノを不特定・多数の者に提供、あるいは公然と陳列する目的で児童ポルノを製造・所持・運搬・輸入・輸出した⇒五年以下の懲役又は五百万円以下の罰金
ケースについて見ると、自分で児童ポルノを所持していたことになりますので、例え相手が任意で送った児童ポルノ画像であっても所持していた以上児童ポルノの単純所持として一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処される可能性があります。
また、仮にVが画像を送らなかったとしても、画像を要求する行為そのものが各都道府県の条例に違反する可能性があります。
神奈川県の条例においては、現時点で規制がなされていませんが、審議会等で条例改正が検討されています。
【略式罰金について】
略式罰金とは、明白でかつ簡易な事件であり、100万円以下の罰金(1万円以上)又は科料(1000円以上1万円未満)に相当する事件で採られる簡易な手続きです。
略式罰金の手続きを行うためには、被疑者本人が事件を起こしたことを認めていて、略式罰金を納付する手続きが行われることに納得している場合にとられる手続きです。
略式罰金は、正式裁判に比べて迅速に判断が下される点や、書類の上だけで行われる非公開の手続きであるため被告人にとって負担が小さいという点でメリットがあります。
神奈川県横浜市港北区にて、ご家族が児童ポルノを所持していたことにより児童買春、児童ポルノ禁止法違反で逮捕され、釈放してほしい、あるいは略式罰金について知りたいという方がおられましたら、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部の弁護士による初回接見をご利用ください。