【解決事例】未成年者に陰茎をしごかせた

【解決事例】未成年者に陰茎をしごかせた

未成年者に自身の陰茎をしごかせたことで捜査を受けたという事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部が解説致します。

【事例】

神奈川県横浜市中区在住のAさんは、横浜市中区の会社に勤める会社員です。
Aさんは事件当日、横浜市中区にある知人の自宅で酒を飲んでいたところ、知人が眠ってしまい、その間に知人の子どもである当時13歳のVさんに自身の陰茎をしごかせました。
後日、Vさんの保護者とVさんは横浜市中区を管轄する山手警察署の警察官に被害届を提出したことから、捜査を受けることとなりました。

≪守秘義務・個人情報保護のため、事件地等や一部事件内容を変更しています。≫

【今回の事例(法改正前)】

今回の解決事例は、2023年(令和5年)6月16日の刑法改正以前の事件であったことから、強制わいせつ罪の適用は難しいと考えられます。
その理由は、
①被害児童が13歳であったこと
②暴行や脅迫といった行為が見られなかったこと
です。

①について、法改正前の刑法をみると、強制わいせつ罪について刑法176条は「13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、6月以上10年以下の懲役に処する。13歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。」と定めていました。
故に、13歳以上である(13歳の誕生日を迎えている)Vさんは「13歳未満の者」に当たらず、後段は成立しません。

②について、これもVさんを脅したり無理やりといった行為は見られなかったため、前段のいう「暴行は又は脅迫を用いて」という点も成立しないと考えられました。

そのためAさんは、青少年保護育成条例で捜査されました。

神奈川県青少年保護育成条例31条1項 何人も、青少年に対し、みだらな性行為又はわいせつな行為をしてはならない。
同条例31条3項 第1項に規定する「みだらな性行為」とは、健全な常識を有する一般社会人からみて、結婚を前提としない単に欲望を満たすためにのみ行う性交をいい、同項に規定する「わいせつな行為」とは、いたずらに性欲を刺激し、又は興奮させ、かつ、健全な常識を有する一般社会人に対し、性的しゆう恥けん悪の情をおこさせる行為をいう。
(罰条:2年以下の懲役又は100万円以下の罰金)

自身の陰茎をしごかせる行為は「いたずらに性欲を刺激し~」という要件を満たすため、Aさんは青少年保護育成条例に違反し捜査された、ということです。

【法改正以降は不同意わいせつ罪に】

今般の刑法改正により、強制わいせつ罪は不同意わいせつ罪と変わりました。
詳細は≪不同意わいせつ罪≫のサイトをご確認頂ければと思いますが、今回のAさんの事例はVさんが13歳であることから、改正刑法176条3項のいう16歳未満に該当するため、暴行や脅迫などを用いていなくても、あるいは被害児童がAさんの陰茎をしごく行為に同意していたと否とに関わらず、不同意わいせつ罪が成立することになります。

刑法176条3項
16歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者(当該16歳未満の者が13歳以上である場合については、その者が生まれた日より5年以上前の日に生まれた者に限る。)も、第1項と同様とする。

今回のAさんの事例では、弁護士の示談交渉(被害児童やその保護者は厳密には被害者ではありませんが、迷惑をかけたことに対する謝罪と賠償を行ったこと)や検察官への意見により、不起訴処分となりました。
しかし、改正刑法のいう不同意わいせつ罪で捜査された場合、起訴され裁判になる可能性が高い事案です。
とりわけVさんはまだ13歳と幼いことから、Vさんの無知や好奇心に乗じて性的な行為をしたとして厳しい刑事罰が科せられる恐れがあります。
神奈川県横浜市中区にて、未成年者に自身の陰茎をしごかせる行為で捜査を受けている場合、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部の弁護士による無料相談初回接見サービス(有料)をご利用ください。

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