【解決事例】部品を放置し廃棄物処理法違反に

【解決事例】部品を放置し廃棄物処理法違反に

車の部品を放置したところ、廃棄物処理法違反で捜査を受けたという事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部が解説いたします。

【事例】

神奈川県三浦郡葉山町在住のAさんは、三浦郡葉山町にある会社に勤める会社員です。
Aさんは車が大好きで、自分の車の修理や改造などを行うことを趣味にしていました。
事件の数ヶ月前、Aさんはそれまで使っていた車Xと別のタイプの車Yを購入し前まで乗っていた車Xを手放しました。
ただし、車Xで使用していた改造パーツが車Yでは使えませんでした。
そこで、Aさんは友人らにパーツを配る等していたのですが、車Xのタイプの部品が使える車を持つ友人が少なく、Aさんは捨てるには勿体ないと考え三浦郡葉山町内の自動車整備会社の前に、「ご自由にお持ちください。」と書いた紙を貼って置いて行きました。
後日、Aさんに葉山町を管轄する葉山警察署警察官から連絡が来て、Aさんは廃棄物処理法違反で捜査を受けることになると知らされました。

≪守秘義務・個人情報保護のため、事件地や一部事件内容を変更しています。≫

【廃棄物処理法について】

今回、Aさんはまだ使用できる車の部品を自動車整備の会社前に置きました。
しかし、会社には断りを入れずに放置してしまいました。
Aさんとしては親切、あるいは再利用できる物を捨てることが勿体ないという判断だったのですが、会社から見るとゴミ(=廃棄物)を置き去ったかたちになり、廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)に違反することになります。
なお、廃棄物処理法では、事業で生じた廃油や廃プラスチック等のみを産業廃棄物と定め、産業廃棄物以外のゴミはすべて「一般廃棄物」と定義されているため、Aさんが放置してしまった車の部品のような金属製品であっても、一般廃棄物として扱われます。(廃棄物処理法2条各項)

廃棄物全般について、廃棄物処理法はその16条で「何人も、みだりに廃棄物を捨ててはならない。」と定めています。
罰条は以下のとおりです。

廃棄物処理法25条1項 次の各号のいずれかに該当する者は、5年以下の懲役若しくは1000万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
14号 第16条の規定に違反して、廃棄物を捨てた者

【廃棄物処理法違反での弁護活動】

Aさんのように部品を放置してしまった廃棄物処理法違反事件では、
①廃棄物の処理
②私有地だった場合には示談交渉
が重要であると考えられます。
①について、廃棄物の処理は重要ですが勝手に廃棄してしまうと証拠隠滅にあたるため、捜査機関に適宜確認を取り、証拠品の捜査が終了してから廃棄処分をする必要があります。
また、②については、私有地であれば迷惑を被った敷地のオーナーがいるため、その者に謝罪と賠償を行う示談交渉が必要となります。
いずれも、捜査機関や被害者と密に連絡を取り、説明を行っていく必要があるため、弁護士に依頼することをお勧めします。

今回のAさんの事例では、廃棄物の量が多く(金属製で重く)処理に時間を要しましたが無事処理が終わったこと、無断で部品を置いてしまったことについて自動車整備会社との間で示談交渉を行い示談締結に至ったこと、Aさんが部品を置いて行ったことは事実だが廃棄したという認識ではなかったことなどを主張した結果、検察官はAさんに処分を求めない不起訴の判断を下しました。

神奈川県三浦郡葉山町にて、車の部品を置いて行ってしまったことで廃棄物処理法違反で捜査されている場合、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部にご連絡ください。
まずは事務所での無料相談で事件の内容を伺ったのち、今後の見通しや必要となる弁護活動についてご説明いたします。
家族が逮捕・勾留されている場合の初回接見はこちら。

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