【解決事例】あおり運転で不起訴処分
あおり運転をしたことで逮捕された事件で不起訴処分となった事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部が解説致します。
【事例】
神奈川県海老名市在住のAさんは、海老名市内の会社に勤める会社員です。
Aさんは事件当日、海老名市の路上を自家用車で走行中、Vさんが運転する車が気に入らないと考えVさんの運転する車の前方に回り込んで停車させたのち、Vさんに対し降車を求めたうえ、Vさんの胸倉を掴みました。
Vさんの車の同乗者が110番通報し、臨場した海老名市を管轄する海老名警察署の警察官はAさんを暴行罪で現行犯逮捕しました。
その後勾留されることなく釈放されたAさんは、当事務所の弁護士による無料相談を利用され、その後弁護を依頼されました。
弁護士は、捜査機関を通じてVさんの連絡先を弁護士限りで伺い、Vさんに連絡しました。
Vさんは当然のこと乍らお怒りで、Aさんの謝罪文を求められました。
そこで弁護士は、Aさんに謝罪文の作成を指示し、内容については添削のうえ、Vさんにお送りしました。
Vさんは謝罪文を確認したうえで、示談に応じてくださるということになりました。
最終的に、AさんとVさんの間では、VさんがAさんに対して厳しい刑事処罰を求めない旨の約定を含む示談書が締結され、その内容を踏まえ検察官はAさんを不起訴処分としました。
≪守秘義務・個人情報保護のため、事件地や一部事件内容を変更しています。≫
【あおり運転と暴行罪】
Aさんの行為については、
①Vさんの車を停止されるまでに行ったあおり運転行為
②Vさんを降車させて胸倉を掴んだ暴行
の2点が問題となりました。
①あおり運転
昨今問題となっている、いわゆる「あおり運転」について、令和2年6月30日施行の改正道路交通法により、厳罰化がなされました。
道路交通法117条の2の2 次の各号のいずれかに該当する者は、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
8号 他の車両等の通行を妨害する目的で、次のいずれかに掲げる行為であつて、当該他の車両等に道路における交通の危険を生じさせるおそれのある方法によるものをした者
イ 第17条(通行区分)第四項の規定の違反となるような行為
ロ 第24条(急ブレーキの禁止)の規定に違反する行為
ハ 第26条(車間距離の保持)の規定の違反となるような行為
ニ 第26条の2(進路の変更の禁止)第2項の規定の違反となるような行為
ホ 第28条(追越しの方法)第1項又は第4項の規定の違反となるような行為
ヘ 第52条(車両等の灯火)第2項の規定に違反する行為
ト 第54条(警音器の使用等)第2項の規定に違反する行為
チ 第70条(安全運転の義務)の規定に違反する行為
リ 第75条の4(最低速度)の規定の違反となるような行為
ヌ 第75条の8(停車及び駐車の禁止)第1項の規定の違反となるような行為
同法117条の2 次の各号のいずれかに該当する者は、5年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。
4号 次条第1項第8号の罪を犯し、よつて高速自動車国道等において他の自動車を停止させ、その他道路における著しい交通の危険を生じさせた者
一般道でのあおり運転の場合、道路交通法117条の2の2により、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処されます。
また、高速道路で被害車両を停止させたり交通の危険を生じさせたりするような行為については、更に悪質なあおり運転として、5年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処されます。
②暴行
AさんがVさんの胸倉を掴んだ行為は、暴行罪に該当します。
条文は以下のとおりです。
刑法208条 暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは、2年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。
胸倉を掴む行為については、判例で不法な有形力の行使(暴行)に当たるとされていることから、暴行罪が成立します。
【事務所紹介】
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部は刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
当事務所の弁護士は、あおり運転や暴行罪といった被害者のいる事件での示談交渉の経験が豊富です。
神奈川県海老名市にて、あおり運転をした嫌疑で逮捕されたのち釈放されたという方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部にご連絡ください。
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