Archive for the ‘刑事事件’ Category

無免許のひき逃げ事件(前編)

2021-10-22

無免許のひき逃げ事件(前編)

無免許ひき逃げ事件について,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部が解説します。
この記事は,無免許ひき逃げ事件(前編)となります。

【刑事事件例】

Aさんは,神奈川県三浦市の県道において,車を運転中に原付バイクと衝突する事故を起こし,相手に怪我をさせたにも関わらず,そのまま逃走しました。
Aさんは,神奈川県三浦警察署により,道路交通法違反ひき逃げ)の容疑で逮捕されました。
実はAさんは無免許運転をしており,無免許であることがばれると思ったために逃走したといいます。
(刑事事件例はフィクションです。)

【自動車運転処罰法違反(過失運転致傷罪)とは】

自動車運転処罰法5条(過失運転致傷罪)
自動車の運転上必要な注意を怠り,よって人を死傷させた者は,7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金に処する。
ただし,その傷害が軽いときは,情状により,その刑を免除することができる。

ひき逃げ事件には,自動車運転処罰法違反過失運転致傷罪)が成立する可能性があります。

自動車を運転する際に,必要な注意を怠って,人に怪我を負わせた場合,自動車運転処罰法違反過失運転致傷罪)が成立します。
自動車運転処罰法違反過失運転致傷罪)の罰則は,7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金です。

【道路交通法違反(救護義務違反)とは】

道路交通法72条
交通事故があつたときは,当該交通事故に係る車両等の運転者その他の乗務員(以下この節において「運転者等」という。)は,直ちに車両等の運転を停止して,負傷者を救護し,道路における危険を防止する等必要な措置を講じなければならない。
この場合において,当該車両等の運転者(運転者が死亡し、又は負傷したためやむを得ないときは,その他の乗務員。以下次項において同じ。)は,警察官が現場にいるときは当該警察官に,警察官が現場にいないときは直ちに最寄りの警察署(派出所又は駐在所を含む。以下次項において同じ。)の警察官に当該交通事故が発生した日時及び場所,当該交通事故における死傷者の数及び負傷者の負傷の程度並びに損壊した物及びその損壊の程度,当該交通事故に係る車両等の積載物並びに当該交通事故について講じた措置を報告しなければならない。

道路交通法117条
1項:車両等(軽車両を除く。以下この項において同じ。)の運転者が,当該車両等の交通による人の死傷があつた場合において,第71条(交通事故の場合の措置)第1項前段の規定に違反したときは,5年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
2項:前項の場合において,同項の人の死傷が当該運転者の運転に起因するものであるときは,10年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。

ひき逃げ事件には,道路交通法違反救護義務違反)が成立する可能性があります。

交通事故があったとき,運転手とその運転する車に乗っていた者は,直ちに運転を停止して,負傷者を救護し,道路における危険を防止するなどの必要な措置を講じなければなりません。
そして,最寄りの警察署に交通事故が発生した日時及び場所,死傷者の数,負傷者の負傷の程度,損壊した物,その損壊の程度,車両等の積載物,交通事故について講じた措置を報告しなければなりません。

以上の義務は,道路交通法では救護義務と呼ばれており,この救護義務に違反した者には,道路交通法違反救護義務違反)が成立します。
道路交通法違反救護義務違反)の罰則は,10年以下の懲役又は100万円以下の罰金です。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部は,刑事事件を専門に扱う法律事務所です。
無免許ひき逃げ事件でお困りの場合は,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部までご相談ください。

この記事は,無免許ひき逃げ事件(後編)に続きます。

神奈川県平塚市の公然わいせつ事件

2021-10-19

神奈川県平塚市の公然わいせつ事件

神奈川県平塚市の公然わいせつ事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部が解説します。

【刑事事件例】

Aさんは、性的欲求を満たすために、神奈川県平塚市において、自身の陰茎を露出しながら深夜に市内を徘徊するという行為をしていました。
ある日の朝、平塚警察署の警察官が平塚市内にあるAさんの家に訪れ、そのままAさんを公然わいせつ罪の嫌疑で逮捕しました。
Aさんの妻であるBさんは、何が起こっているのか事態を把握することができず、Aさんが平塚警察署の警察官に公然わいせつ罪の嫌疑で逮捕される様子を黙って見ていることしかできませんでした。
Aさんは、公然わいせつ罪の嫌疑で逮捕された夫を助けるためにはどうすればよいのか分からず、困惑しています。
(この刑事事件例はフィクションです)

【公然わいせつ罪とは】

刑法 174条
 
公然とわいせつな行為をした者は、6月以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する

刑事事件例のAさんには、公然わいせつ罪が成立する可能性が高いと言えます。
公然わいせつ罪が成立するには、①「公然と」②「わいせつな行為をした」という2つの要件が満たされる必要があります。
以下で、刑事事件例において、この2つの要件が満たされるかについて簡単に説明します。

公然わいせつ罪の1つ目の要件は「公然と」という要件です。
公然わいせつ罪の「公然と」とは、不特定又は多数の人が認識することができる状態を言います。
実際に不特定又は多数の人が認識する必要はなく、その認識の可能性があれば足ります。
これを刑事事件例において説明すると、平塚市内の路上は、深夜であっても不特定又は多数の人が通行する可能性がある場所と言えます。
そのため、実際にAさんが陰部を露出しながら歩いた場所に不特定又は多数の人がいなくても、公然わいせつ罪の「公然と」の要件は満たされることになります。
従って、公然わいせつ罪の1つ目の要件である「公然と」の要件は満たされる可能性が高いと言えます。

公然わいせつ罪の2つ目の要件は「わいせつな行為をした」という要件です。
公然わいせつ罪の「わいせつな行為」とは、性欲を刺激、興奮又は満足させる行為であり、普通人の性的羞恥心を害し、善良な性的道義観念に反する行為を言います。
公然わいせつ罪の「わいせつな行為」に当たるかの判断については、その時の社会通念を踏まえた価値判断となるため、何が公然わいせつ罪の「わいせつな行為」に当たるかについては難しい判断が必要になる場合があります。
もっとも、性器の露出行為は公然わいせつ罪の「わいせつな行為」の典型例とされていますので、陰茎を露出したAさんの行為は、公然わいせつ罪の2つ目の要件である「わいせつな行為」に当たる可能性が高いと言えるでしょう。

以上より、刑事事件例のAさんには公然わいせつ罪が成立する可能性が高いと言えます。

【ご御家族が公然わいせつ罪で逮捕されてしまったら】 

刑事事件のBさんの様に、突然警察が家に訪れ、ご家族の方を公然わいせつ罪の嫌疑で逮捕し、事態を把握することができずに混乱している方は、まずは公然わいせつ罪をはじめとした刑事事件に精通した弁護士に対して初回接見を依頼されることをお勧め致します。

初回接見とは、弁護士が、警察署の留置施設などに出張して逮捕される方と接見(面会)をする、その1回目のことを言います。
この初回接見により、公然わいせつ罪をはじめとした刑事事件に精通した弁護士逮捕されている方から事実関係等を詳しくお聞きし、今後の刑事事件の見通しや、これから予定されているであろう取り調べの対応などのアドバイスを受けることが期待できます。

また、初回接見を行った弁護士から、ご依頼を頂いたご家族の方に対しましても、今後の刑事事件の見通し等についてご報告させて頂きますので、ご家族の方が抱えている今後の刑事事件の流れについての疑問や不安を解消するといったメリットが期待できます。

刑事事件は兎にも角にもスピードが大事です。
特に、ご家族の方が公然わいせつ罪の嫌疑で逮捕されてしまった場合は、早期に公然わいせつ罪をはじめとした刑事事件に精通した弁護士に相談し、いち早く初回接見をご依頼することを強くお勧め致します。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部は、公然わいせつ罪をはじめとした刑事事件に精通した弁護士が在籍しております。

神奈川県平塚市で、ご家族の方が公然わいせつ罪逮捕されてお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部までご相談ください。

合鍵を作り住居侵入

2021-10-14

合鍵を作り住居侵入

合鍵を作り住居侵入した刑事事件について,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部が解説します。

【刑事事件例】

神奈川県川崎市多摩区にある私立高校に勤務するAさんは,同市内に住む知人で20代の女性(Vさん)宅に不正に合鍵を使用し,侵入しました。
後日,Aさんは,神奈川県警察多摩警察署の警察官により,住居侵入罪の容疑で逮捕されてしまいました。
Aさんは,Vさん宅に3度侵入しており,1度目に鍵を盗み出して合鍵を作り,2度目の侵入はVさんの鍵を使った後に戻し,3度目は合鍵を使って侵入したといいます。
Vさんは,部屋の中の家具の位置が不自然であることに気が付き,神奈川県警察多摩警察署の警察官に相談していたといいます。
神奈川県警察多摩警察署の警察官は,防犯カメラ等を捜査し,Aさんの逮捕に至ったといいます。
Aさんは,「Vさんの私生活を覗きたくて住居に侵入した」と住居侵入罪の容疑を認めています。
(2021年9月13日にテレビ西日本に掲載された記事を参考に作成したフィクションです。)

【住居侵入罪の成立について】

刑法130条
正当な理由がないのに,人の住居…に侵入し…た者は,3年以下の懲役又は10万円以下の罰金に処する。

刑事事件例のように,複数回にわたって住居侵入をしている場合,これらの住居侵入行為はそれぞれ独立した住居侵入事件として扱われる可能性があります。
すなわち,住居侵入事件の被害者の方はVさんと共通していますが,3度の住居侵入事件が起こされたと扱われるのです。

【窃盗罪の成立可能性について】

刑法235条
他人の財物を窃取した者は,窃盗の罪とし,10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

刑事事件例では,Aさんは,1度目の住居侵入事件を起こした際,Vさん宅から鍵を無断で持ち去っています。
このAさんの行為は,窃盗行為に当たります。
とすると,Aさんには,1度目の住居侵入事件については,住居侵入罪窃盗罪の成立が考えられます。

Aさんが逮捕された際には,住居侵入罪の容疑しかかけられていませんが,今後,検察官や警察官の捜査がなされ,窃盗罪の容疑の裏付けがしっかりなされた場合,Aさんは窃盗罪の容疑も加えて起訴されてします可能性があります。
住居侵入窃盗罪は,単なる住居侵入罪と比較して,その刑事罰はかなり重いものとなる可能性があります(窃盗罪の刑事罰と,住居侵入罪の刑事罰を比較してみてください)。

住居侵入窃盗事件の被疑者になってしまった場合には,刑事弁護士を雇って,適切な刑事弁護を受けるということの必要性・重要性がより一層増すといえるでしょう。

【住居侵入事件で刑事弁護士を雇うと...】

住居侵入事件住居侵入窃盗事件)で刑事弁護士を雇うと,刑事弁護士を通して,住居侵入事件住居侵入窃盗事件)の被害者の方と示談ができる可能性が増すと考えられます。

というのも,刑事事件例のような住居侵入事件住居侵入窃盗事件)は,性犯罪的要素が含まれています。
住居侵入事件住居侵入窃盗事件)の被害者の方は,高い確率で被疑者の方との接触を避けたいと考えていると考えられます。
そうすると,刑事弁護士を通さないで住居侵入事件住居侵入窃盗事件)の被疑者の方が直接的に連絡を取ろうとしても,まず取り合ってくれないと考えられます。

そこで,刑事弁護士,つまり,被疑者でもなく,被害者でもなく,本件住居侵入事件住居侵入窃盗事件)の第三者としての立ち位置である者が,両者の間を取り持つことで,話がスムーズに進むようにすることができるのです。

また,示談交渉の際,慰謝料や引っ越し代,家財の処理・購入代などの示談金額,示談書に記載する文言の確定など,さまざまな事項が交渉のテーブルに上がることになります。
刑事弁護士は,住居侵入事件住居侵入窃盗事件)の被害者の方のお気持ちを十分にくみ取り,また,被疑者の方が今後再犯を起こさないようにするために,バランスの取れた示談書を作成し,示談をまとめることが期待できます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部は,刑事事件を専門に扱う法律事務所です。
住居侵入事件住居侵入窃盗事件)に強い刑事弁護士が,円滑な示談交渉を行っていきます。
合鍵を作り住居侵入した刑事事件でお困りの場合は,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部までご相談ください。

神奈川県横浜市南区の公用文書毀棄罪

2021-10-05

神奈川県横浜市南区の公用文書毀棄罪

神奈川県横浜市南区の公用文書毀棄罪について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部が解説します。

【刑事事件例】

神奈川県横浜市南区に住むAさんは、自宅近くの市道を車で運転中、歩行者がいる横断歩道で一停停止をしなかったことにより、南警察署の警察官に摘発されました。
後日、Aさんは南警察署から呼び出しを受けて取調室で調書を作成しましたが、自身の言い分と異なる調書が作成されました。
このことに腹が立ったAさんは、その場で完成した調書を破いてしまいました。
これにより、Aさんは公用文書毀棄の疑いで現行犯逮捕されました。
(この刑事事件例は9月4日に配信された南日本新聞社の記事を基にしたフィクションです)

【公用文書毀棄罪とは】

刑法 258条
 
公務所の用に供する文書又は電磁的記録を毀棄した者は、3月以上7年以下の懲役に処する。

刑事事件例のAさんは公用文書毀棄の疑いで現行犯逮捕されました。
公用文書毀棄罪とは、①「公務所の用に供する文書」(公用文書)を②「毀棄」した場合に成立することになります。
以下で、この公用文書毀棄罪の2つの要件について簡単に説明します。

まず、公用文書毀棄罪の1つ目の要件である「公務所の用に供する文書」(公用文書)についてです。
「公務所の用に供する文書」(公用文書)とは、公務所で使用されるための文書で、現に公務所で使用中の文書のほか、使用するために保管している文書も含みます。
そして、公務所とは、国または地方公共団体などが設ける機関のことを言います。

刑事事件例に即して説明すると、Aさんが破いた調書は、国または地方公共団体が設けた機関である南警察署あるいは検察庁で捜査資料として使用されるための文書であるので、調書は「公務所の用に供する文書」(公用文書)に当たる可能性が高いと言えるでしょう。
よって、公用文書毀棄罪の1つ目の要件である「公務所の用に供する文書」(公用文書)の要件は満たされることになりそうです。
 
次に、公用文書毀棄罪の2つ目の要件である「毀棄」についてです。
「毀棄」とは、文書を物理的に滅失または毀損する場合を含む、文書の本来の効用を毀損する一切の行為を言います。
刑事事件例では、Aさんは調書を破いていますから、これは文書を物理的に毀損する場合に当たることになるでしょう。
よって、公用文書毀棄罪の2つ目の要件である「毀棄」の要件も満たされることになりそうです。
 
以上より、刑事事件例のAさんには公用文書毀棄罪が成立する可能性が高いと言えます。

【警察で取調べが予定されている方は】

刑事事件例のAさんは、自身の言い分と異なる調書が作成されたことに腹が立って調書を破いて現行犯逮捕されることになってしまいました。
警察署の取調室で調書を作成するという経験は、多くの方にとって馴染みのないものであり、警察署に赴くというだけでも大きな不安を抱くことになるでしょう。
更に、実際に警察官を前にすると、不安や緊張でうまく話すことができずに、結果として警察官の誘導に乗るかたちになり、自身の言い分とは異なる調書が作成されるおそれがあるでしょう。

こうした事態を回避するために、これから警察で取調べの予定がある方は、事前に刑事事件に精通した刑事弁護人に相談することをお勧めします。
刑事事件に精通した刑事弁護人に事前に相談し、取調べについての不安や疑問を解消することで、取調べに万全の状態で臨むことが期待でき、自身の言い分と異なる調書の作成という結果を回避することが可能になるでしょう。

【ご家族が突然警察に逮捕されてしまった方は】

また、刑事事件例のAさんの様に、突然ご家族の方が警察に逮捕されてしまい不安を抱えている方には、刑事事件に精通した刑事弁護人に相談をし、初回接見を頼まれると良いでしょう。
逮捕されてしまった被疑者の方には、原則として逮捕後72時間は、ご家族の方であっても面会することはできません。
しかし、刑事弁護人であれば、逮捕後72時間以内であっても、逮捕された方と立会人なしに面会することが可能です。
この初回接見により、事実関係を把握することができ、今後の刑事事件の見通しを知ることができるでしょう。

また、早期に刑事事件に精通した刑事弁護人刑事事件に介入させアドバイスを得ておくことで、逮捕されてしまった方に不利になるような調書の作成を阻止することができるといったメリットも期待できます。
以上のように、ご家族の方が逮捕されてしまった場合、いち早く刑事事件に精通した刑事弁護人に相談し、初回接見を頼まれることをお勧めします。

【公用文書毀棄罪でお困りの方は】

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部には、公用文書毀棄罪をはじめとした刑事事件の刑事弁護に精通した弁護士が在籍しております。
神奈川県横浜市南区で、今後南警察署で取調べの予定がある方、あるいは、突然ご家族の方が公用文書毀棄罪で逮捕されてしまったことにより不安を抱えている方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部まで御相談ください。 

空き巣の事後強盗・強盗予備事件

2021-10-01

空き巣の事後強盗・強盗予備事件

空き巣事後強盗強盗予備事件について,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。

【刑事事件例】

Aさんは,金銭的に困窮していたことから,神奈川県川崎市幸区でも有名なお金持ちであるVさんの住宅に空き巣に入ることを計画しました。
Aさんは,Vさんに見つかってしまった場合には,持参した包丁で脅して逮捕を逃れようと考えていました。
空き巣に入ろうと計画していた当日,AさんがVさん宅の周辺を事前に調査していたところ,たまたま通りかかったか神奈川県幸警察署の警察官に声を掛けられてしまいました。
怖くなったAさんは,その場でVさんの住宅に空き巣に入ろうとしていたこと,また,念のために包丁を持参していたことを自白しました。
この場合,Aさんにはどのような犯罪が成立するのでしょうか。
(刑事事件例はフィクションです。)

【事後強盗罪・強盗予備罪とは何か】

刑法238条
窃盗が,財物を得てこれを取り返されることを防ぎ,逮捕を免れ,又は罪跡を隠滅するために,暴行又は脅迫をしたときは,強盗として論ずる。

刑法237条
強盗の罪を犯す目的で,その予備をした者は,2年以下の懲役に処する。

刑法238条は事後強盗罪を,刑法237条は強盗予備罪を規定しています。
この記事を閲覧してくださっている方は,強盗罪はご存じかと思います。
それでは,事後強盗罪強盗予備罪は,強盗罪とはどのような点が異なるのでしょうか。
また,刑事事件例のAさんには,結局何罪が成立するのでしょうか。

【事後強盗罪について】

事後強盗罪は,窃盗犯人が,①財物を得てこれを取り返されることを防ぐ目的,②逮捕を免れる目的,又は③罪跡を隠滅する目的で,暴行又は脅迫をした場合に成立します。

ここで,事後強盗罪は,手段として「暴行又は脅迫」が用いられているという点については,通常の強盗罪と違いはありません。
この手段として「暴行又は脅迫」が用いられていることに注目して,事後強盗罪は「強盗として論」じられています。

【強盗予備罪について】

強盗予備罪とは,強盗罪の危険性,反社会性の大きさを考慮して,予備行為,つまり強盗罪の準備行為を処罰するために規定された犯罪です。

強盗予備罪は,強盗罪の準備行為をした場合に成立しますが,具体的には,強盗の決意を外部的に表現するような行為をした場合に成立します。
強盗予備罪に該当し得る行為としては,強盗に使用する包丁,ナイフ等を携えて徘徊する行為等が考えられます。

ここで,既に述べた通り,事後強盗罪は,手段として「暴行又は脅迫」が用いられていることから,「強盗として論じる」とされています。
そのため,事後強盗罪を犯す目的も,強盗予備罪のいう「強盗の罪を犯す目的」に含まれると考えられます。

とすれば,事後強盗罪を犯す目的で,その予備行為をした者には,強盗予備罪が成立すると考えられます。
以上より,刑事事件例のAさんには,強盗予備罪が成立すると考えられます。

【強盗予備事件を起こしてしまったら】

以上の検討では,強盗予備罪の成立可否を検討しましたが,事後強盗罪の他にも,Aさんには銃刀法違反の罪が成立する可能性もあります。
このように,自分の行為にどのような犯罪が成立するのか直感的には分からない場合や,一つの行為に複数の犯罪が成立する場合がよく見られるため,一般の方にとっては,刑事事件についてよくわからず,大変困惑してしまうことも多いでしょう。
このような場合には,精神的な負担を和らげるためにも,また,刑事事件の速やかな解決のためにも,刑事弁護士に相談したり,実際に刑事弁護士をつけたりすることをお薦めします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部は,刑事事件を専門に扱う法律事務所です。

空き巣事後強盗強盗予備事件でお困りの場合は,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部までご相談ください。

神奈川県横浜市保土ヶ谷区の偽計業務妨害事件

2021-09-28

神奈川県横浜市保土ヶ谷区の偽計業務妨害事件

神奈川県横浜市保土ヶ谷区の偽計業務妨事件について、あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部が解説致します。

【刑事事件例】

神奈川県横浜市保土ヶ谷区に住むAさんは、以前交際していたVさんが保土ヶ谷区で経営する整骨院に、嫌がらせ目的で、約2時間にわたり数百回の無言電話を架けました。
後日、保土ヶ谷警察署から、上記の偽計業務妨害事件について話を聞かせてくれないかとの連絡がAさんの元に届きました。
(この刑事事件例はフィクションです。)

【偽計業務妨害罪とは】

刑法 233条
虚偽の風説を流布し、又は偽計を用いて、人の信用を毀損し、又はその業務を妨害した者は、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

刑事事件例のAさんに問われうる罪は、刑法233条に規定されている偽計業務妨害罪です。
刑事事件例の中で、偽計業務妨害罪が成立するためには、Aさんが①「偽計」を用いて②「業務」を③「妨害」したということが言えなければなりません。
以下で、偽計業務妨害罪の3つの要件について簡単に説明します。

【偽計業務妨害罪の各要件について】

偽計業務妨害罪の1つ目の要件は、業務を妨害した手段が「偽計」によるものであることです。
偽計業務妨害罪の「偽計」とは、人を欺罔し(騙し)、または人の不知、錯誤(勘違い)を利用することを言います。
刑事事件例においては、Aさんの無言電話が、予約受付の電話といったVさんの業務にとって必要な電話であるとの錯誤をVさんに生じさせることになるでしょう。
従って、偽計業務妨害罪の1つ目の要件である「偽計」の要件は満たされると言ってよいでしょう。
 
偽計業務妨害罪の2つ目の要件は、妨害の対象が「業務」であることです。
偽計業務妨害罪の「業務」とは、職業その他社会生活上の地位に基づき継続して行う事務または事業のことを言います。
刑事事件例においては、約2時間にわたり数百回の無言電話かけることで、Vさんの事業である整骨院に関する事務が妨害されることになると言えるでしょう。
従って、偽計業務妨害罪の2つ目の要件である「業務」の要件も満たされることになるでしょう。

偽計業務妨害罪の3つ目の要件は、業務が「妨害」されたということです。
偽計業務妨害罪の「妨害」の意義については、現実に業務遂行がされることは必要ではなく、業務遂行に対する妨害の結果を発生させる危険性があれば、それで偽計業務妨害罪の「妨害」の要件は満たされると考えられています。
刑事事件例に即して説明すると、嫌がらせ目的による数百回の無言電話によって実際にVさんの業務が妨害されていなくとも、そのような嫌がらせ電話をVさんが対応することにより、例えば他の予約の電話に対応することができなかったり、あるいはVさんの施術の妨げになったりする危険性があると判断されることになるでしょう。
従って、偽計業務妨害罪の3つ目の要件である「妨害」の要件についても満たされる可能性が高いと言えるでしょう。

以上より、Aさんには、偽計業務妨害罪が成立する可能性が高いと言えます。

【偽計業務妨害罪でお悩みの方は】

刑事事件例のAさんはこれから保土谷警察署で任意の取調べが予定されています。
多くの方にとって、初めて警察で取調べを受けるというのは、大変緊張するものであると思います。
また、自身が逮捕されるのではないかとの不安を抱えたまま取調べを受けることで、自分の意図していないことを供述してしまい、事実とはかけ離れた供述調書が作成されてしまう危険性もあります。
 
このような事態に陥らないためにも、取調べに向かう前に、まずは偽計業務妨害罪をはじめとする刑事事件に精通した刑事弁護人に相談することをお勧め致します。
刑事事件に精通した刑事弁護人に事前に対して相談しておくことで、刑事事件についての見通しや、警察での取調べの対応等についてのアドバイスを得ておくことができます。
こうした刑事弁護人の事前のアドバイスにより、警察での取調べに対する不安を解消しておくことで、事実に反する調書が作成されるといった危険から回避することができるでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部には、偽計業務妨害罪をはじめとした刑事事件の刑事弁護に精通した刑事弁護人が在籍しております。
神奈川県横浜市中区の偽計業務妨害事件でお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部までご相談ください。  

神奈川県川崎市川崎区のわいせつ電磁的記録等送信頒布事件

2021-09-24

神奈川県川崎市川崎区のわいせつ電磁的記録等送信頒布事件

神奈川県川崎市川崎区のわいせつ電磁的記録等送信頒布事件について,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部が解説します。

【刑事事件例】

Aさんは,神奈川県川崎市川崎区のバスターミナルで,近くにいた同市在住の女子高校生に対して,スマートフォンの通信機能「エアドロップ」を使い,卑わいな動画を送ってしまいました。
後日,Aさんは,神奈川県川崎警察署の警察官により,わいせつ電磁的記録等送信頒布罪の容疑で逮捕されてしまいました。
AさんとVさんはバスの利用客であったが,面識はなかったといいます。
実は,AさんはVさんの他にも,別の女子高校生に卑わいな動画を送りつけてしまったことがあるといいます。
Aさんは,今後どうすればよいか悩んでいます。
(2021年8月24日に朝日新聞に掲載された記事を参考に作成したフィクションです。)

【わいせつ電磁的記録等送信頒布罪とは】

刑法175条第1項
わいせつな文書,図画,電磁的記録に係る記録媒体その他の物を頒布し,又は公然と陳列した者は,2年以下の懲役若しくは250万円以下の罰金若しくは科料に処し,又は懲役及び罰金を併科する。
電気通信の送信によりわいせつな電磁的記録その他の記録を頒布した者も,同様とする。

わいせつ電磁的記録等送信頒布罪は,刑法175条に規定された犯罪です。
わいせつ電磁的記録等送信頒布罪は,「電気通信の送信によりわいせつな電磁的記録を頒布」した場合に成立します。

わいせつ電磁的記録等送信頒布罪の法定刑は,「2年以下の懲役若しくは250万円以下の罰金若しくは科料に処し,又は懲役及び罰金」です。

【匿名の被害者と示談ができるか】

刑事事件例のわいせつ電磁的記録等送信頒布事件のように,被害者の方がいる場合,被害者の方と示談することが考えられます。
また,刑事事件例のわいせつ電磁的記録等送信頒布事件のように,被害者の方が複数いる場合,それぞれの被害者の方と連絡を取り,示談交渉を開始することが必要となります。

ここで,刑事事件例のわいせつ電磁的記録等送信頒布事件のように,被害者の方と面識がない,被害者の方の連絡先を知らないという場合,匿名の被害者の方と示談ができるのかと疑問に思われるかもしれません。
しかし,刑事弁護士は,警察や検察を通して,刑事弁護士限りでわいせつ電磁的記録等送信頒布事件の被害者の方の連絡先を教えてもらえないか打診をすることができます。
刑事弁護士は,被害弁償や示談についての話をするために,刑事弁護士以外の者には連絡先を漏らさないという条件で,わいせつ電磁的記録等送信頒布事件の被害者の方の連絡先を教えてもらえる可能性があるのです。

刑事弁護士が被害者の方の連絡先を教えてもらうことができた場合,より良い示談結果が得られるように,早急に示談交渉を開始します。
刑事事件例のわいせつ電磁的記録等送信頒布事件のように,被害者の方が複数いる場合,それぞれの被害者の方と連絡を取り,示談を締結する場合,その分の示談金の準備が必要とはなりますが,ご依頼者の方と刑事弁護士が綿密に連絡を取った上で,被害者の方と話合いをすることで,適切な交渉の落としどころを探ります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部は,刑事事件を専門に扱う法律事務所です。
神奈川県川崎市川崎区のわいせつ電磁的記録等送信頒布事件でお困りの場合は,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部までご相談ください。

神奈川県横浜市中区の置き配の窃盗事件

2021-09-21

神奈川県横浜市中区の置き配の窃盗事件

神奈川県横浜市中区の置き配の窃盗事件について、あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部が解説します。

【刑事事件例】

神奈川県横浜市中区にあるアパートの一室に居住しているAさんは、隣の部屋に居住しているVさん宛の荷物がVさんの居室の玄関前に届けられている(置き配されている)のを見つけました。
その際、AさんはVさんの荷物の伝票に「家電」と記載されていることに気が付きました。
お金に困っていたAさんは、Vさん宛の荷物を自分の居室の中に持ち運んだ上で、フリマサイトで転売し、その転売により得られた代金を自身の生活費に充てました。
数日後、神奈川県警察山手警察署からAさんのもとに、任意の取調べに応じるよう連絡がありました。
(この刑事事件例はフィクションです)

【窃盗罪とは】

刑法 235条

他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

刑法235条は窃盗罪について規定しています。
窃盗罪の成立要件については、大きく分けて2つの要件があると言えるでしょう。
窃盗罪の要件の1つ目は、窃盗罪の条文に記載されているもので、「他人の財物を窃取した」と言うものです。
窃盗罪の要件の2つ目は、窃盗罪の条文に記載されていないもので、「不法領得の意思」と言われる、窃盗罪を犯してしまった人の内心に関わる要件です。

以下で、詳しく説明します。

【窃盗罪の要件その1】

窃盗罪の1つ目の要件である「他人の財物を窃取した」とは、他人の占有している財物をその占有者の意思に反して自己または第三者の占有に移転させる行為のことを意味します。
なお、窃盗罪における占有とは、「人が財物を事実上支配し、管理している状態」のことを意味しています。

これを刑事事件例に即して説明します。
まず、Vさん宛の荷物は財物と言えます。
そして、Vさんの居室の玄関前に届けられた荷物については、Vさんが事実上支配し、管理している状態と評価される可能性があるので、Vさんの居室の玄関前に届けられた荷物は、Vさんが占有している財物であると判断される可能性があります。
さらに、Aさんは、Aさんが事実上管理、支配している自身の居室にVさんの荷物を移動させていることから、AさんはVさんの荷物をVさんの意思に反して自己の占有に移転させたと言えるでしょう。
従って、Aさんが、Vさんの居室の玄関前に届けられた荷物をAさんの居室の中に持ち運んだ行為は、窃盗罪の1つ目の要件である「他人の財物を窃取した」に当たると言えるでしょう。

【窃盗罪の要件その2】

窃盗罪の2つ目の要件である「不法領得の意思」とは、「権利者を排除して、他人の財物を自己の所有物として①権利者排除意思、その経済的用法に従い処分する意思(②利用処分意思)」のことを言います。

窃盗罪の①権利者排除意思とは、平たく言えば、他人の物を自分の物と同様に扱う意思のことをいいます。
窃盗罪において①権利者排除意思が必要とされる理由は、返還の意思がある財物の一時使用の場合を窃盗罪の処罰の対象から外すためです。
他人の財物の無断一時使用行為は、この行為により生じる被害が軽微であるため、窃盗罪は成立しません。

すなわち、権利者(財物の占有者)を排除する意思が認められる場合は、窃盗罪が成立する可能性があります。
反対に、権利者(財物の占有者)を排除する意思が認められない場合は、返還の意思がある財物の一時使用であるとして、窃盗罪は成立しません。

窃盗罪の①利用処分意思とは、具体的には、他人の物を、その物の本来の用途にかなった使い方をして、何らかの効用を受けることをいいます。
窃盗罪において②利用処分意思が必要とされる理由は、窃盗罪と器物損壊罪をはじめとする毀棄隠匿の罪とを区別するためです。

すなわち、利用処分意思が認められる場合は、窃盗罪が成立する可能性があります。
反対に、利用処分意思が認められない場合は、器物損壊罪をはじめとする毀棄隠匿の罪が成立することになります。

以上の①権利者排除意思と②利用処分意思の2つの意思が認められれば、窃盗罪における不法領得の意思が認められることになります。

これを刑事事件例に即して説明します。
まず、Aさんは、Vさん宛の荷物を返還する意思がなく、自身の居室の中に持ち運んでいるので、窃盗罪の不法領得のうち、①権利者排除意思は認められると言って良いでしょう。
さらに、Aさんは、Vさん宛の荷物を転売し、その売却代金を自身の生活費に充てていることから、窃盗罪の不法領得の意思のうち、②利用処分意思も認められると言って良いでしょう。
従って、Aさんには、窃盗罪の2つ目の要件である「不法領得の意思」が認められると言えるでしょう。

以上より、Aさんは窃盗罪の罪に問われる可能性があります。

【窃盗罪についてお悩みの方は】

刑事事件例のAさんのように、窃盗罪について警察から取調べが予定されている場合、まずは窃盗罪をはじめとする刑事事件に精通した刑事弁護人に相談することをお勧めします。
警察で窃盗罪について取調べを受ける前に、窃盗罪をはじめとする刑事事件に精通した刑事弁護人に相談しておくことで、警察での窃盗罪についての取調べに関する疑問や不安を事前に解消することが期待できます。

また、窃盗罪の被害に遭われてしまった方に対して窃盗罪の被害の弁償を考えている場合にも、窃盗罪をはじめとする刑事事件に精通した刑事弁護人に相談することをお勧めします。
窃盗罪をはじめとする刑事事件に精通した刑事弁護人を通して、いち早く窃盗罪の被害の弁償をし、窃盗罪の被害に遭われてしまった方と窃盗罪について示談を成立させることによって、早期に窃盗罪の刑事事件を終結させることが期待できます。

あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部は、窃盗罪刑事事件をはじめとした刑事事件刑事弁護に精通した刑事弁護人が在籍しております。
神奈川県横浜市中区で、置き配の窃盗事件でお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部までご相談ください。  

ツイッターの脅迫事件

2021-09-17

ツイッターの脅迫事件

ツイッターの脅迫事件について,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部が解説します。

【刑事事件例】

Aさんは,政治家のVさん(神奈川県綾瀬市在住)に対し,ツイッターで,実家を燃やすという趣旨の投稿をしました。
Vさんは,Aさんの脅迫事件を重く見て,神奈川県綾瀬警察署に脅迫事件の被害届を提出しました。
後日,Aさんは,神奈川県綾瀬警察署の警察官により,脅迫罪の容疑で逮捕されました。
Aさんは,Vさんの政治的主張が気に入らず,このような脅迫事件を起こしてしまったといいます。
(刑事事件例はフィクションです。)

【脅迫罪について解説します】

脅迫罪は刑法222条に規定された犯罪です。

刑法222条1項
生命,身体,自由,名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者は,2年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する。

刑法222条2項
親族の生命,身体,自由,名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者も,前項と同様とする。

刑事事件例では,Aさんは,Vさんに対して,実家を燃やすという趣旨を告げています。
このAさんの投稿は,Vさんの「親族の生命,身体」「財産に対し」て,これから放火という「害を加える旨」を,SNSの投稿という方法により「告知」したといえます。

ここで,刑法の脅迫罪が成立するためには,告知する「害」は,他人を畏怖させるに足りる程度のものである必要があるとされています。
刑事事件例でいうところの「害」とは,実家を燃やすことですが,この「害」を告知された場合,通常,人は,「実家が燃やされてしまうのではないか」という気持ち,すなわち畏怖を抱くと考えられるます。
よって,他人を畏怖させるに足りる程度の「害」の告知であったと評価されると考えられます。

以上より,Aさんには,脅迫罪(刑法222条2項)が成立し,「2年以下の懲役又は30万円以下の罰金」が科されてしまう可能性があります。

【ツイッターの脅迫事件を穏便に解決する方法を解説します】

刑事事件例のようなツイッターの脅迫事件を穏便に解決するためには,今後の再犯を防止するための環境作り,監視監督体制を取っていることを示していくことが有効です。
刑事事件例のようなツイッターの脅迫事件では,SNSのアプリを全て消去したり,スマートフォン等を買い替えたりするというような今後の再犯を防止するための環境作りが考えられます。
ご家族の方の協力が得られるのであれば,Aさんが不審な投稿をするためにアプリをダウンロードしたり,サイトにログインしたりしていないかを逐一確認するといった監視監督体制が考えられます。

そして,このような今後の再犯を防止するための環境作り,監視監督体制をしたうえ,刑事弁護士を選任して,刑事弁護士により検察官や裁判官にこれらのことを書面等で示していき,検察官や裁判官に何とかツイッターの脅迫事件を穏便に解決してもらえないかと説得していくことができると考えられます。

また,脅迫事件の被害者の方に正式に謝罪して,たとえ事後的であっても被害弁償金・示談金を支払うことで被害を回復させることも有効です。
刑事事件例のような脅迫事件では,脅迫事件の被疑者の方が直接的に被害者の方と連絡を取ると,かえって話がこじれたり,被害者の方の感情を逆撫でて二度と話を聞かないと連絡を拒否されてしまったりする可能性もあるので,刑事弁護士を選任して,第三者的立場に立って話合いを進めてもらいましょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部は,刑事事件を専門に扱う法律事務所です。
ツイッターの脅迫事件でお困りの場合は,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部までご相談ください。

大食い企画の食い逃げ事件(詐欺事件)

2021-09-14

大食い企画の食い逃げ事件(詐欺事件)

大食い企画の食い逃げ事件(詐欺事件)について,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部が解説します。

【刑事事件例】

Aさんは,神奈川県箱根町にある「デカ盛りグルメ」の提供店において,通常の牛丼10杯分に相当する牛丼「馬鹿牛丼」を30分以内に完食すれば,代金は支払わなくよいという牛丼の大食い企画に挑み,失敗したものの,「車から財布を取ってくる。支払いはその後にする。」と従業員に伝えたまま戻らず,代金5000円を支払いませんでした。
企画挑戦前には,「代金5000円を準備していること。今まで同様の大食い企画に挑戦し,成功したことがあること。」等の条件が並ぶ「同意書」にサインをすることが求められました。
実はAさんは所持金が0円であり,はじめから代金を支払う意思はなかったといいます。
その結果,Aさんは,詐欺罪の容疑で逮捕されてしまいました。
(2021年8月19日に弁護士ドットコムニュースに掲載された記事を参考に作成したフィクションです。)

【詐欺罪とは】

刑事事件例では,Aさんは詐欺罪の容疑で逮捕されてしまっています。
しかし,Aさんの気持ちとしては,「たかが食い逃げではないか」と考えてしまうと思います。
そこで,以下では,詐欺罪の成立要件を見ていき,本当にAさんに詐欺罪が成立するのかを確認してみます。

刑法246条1項
人を欺いて財物を交付させた者は,10年以下の懲役に処する。

詐欺罪の成立要件は,「人を欺いて財物を交付」させることです。
具体的には,詐欺罪が成立するためには,被害者の方を欺く行為→被害者の方の錯誤→被害者の方の財物の交付行為→被疑者の方の取得行為という一連の行為が必要であると考えられています。

詐欺罪の成立要件である「被害者の方を欺く行為」とは,被害者の方が真実を知っていれば財産の交付行為を行わないような重要な事実を偽ることをいいます。

ここで,刑事事件例の無銭飲食事件のように,最初から支払いの意思も能力もなく,食堂で注文して飲食する行為は,注文の際には支払意思があることが通常であると考えられているため,支払意思があるかのように装って注文するという行為であるとして,詐欺罪の成立要件である「被害者の方を欺く行為」に当たると考えられています。
その結果,料理を注文・飲食した時点で詐欺罪が成立すると考えられています。

【詐欺事件について】

刑事事件のように詐欺罪が成立する場合,詐欺罪の法定刑は10年以下の懲役と非常に重い刑事罰となっています。
とすると,詐欺事件を起こしてしまった被疑者の方の気持ちとして,「たかが食い逃げではないか」と考えるべきではありません。

そこで,刑事事件に強い刑事弁護士に食い逃げ事件(詐欺事件)について法律相談し,被害者の方(刑事事件例のような詐欺事件では,被害店舗)に謝罪や被害弁償をして,重い刑事罰を避けるための刑事弁護を受けることを考えていくべきでしょう。

刑事事件例のような詐欺事件では,被害店舗の担当者・代表者の方と連絡を取り,提供された料理の代金を支払ったり,その他の生じた被害がある場合はその弁償をしたりすることが考えられます。
また,被害店舗への出入り禁止条項を取り入れるなど,被害店舗の意向も汲み取って,正式に謝罪を受けてもらい,示談を締結することになるでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部は,刑事事件を専門に扱う法律事務所です。
大食い企画の食い逃げ事件(詐欺事件)でお困りの場合は,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部までご相談ください。

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