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(架空の事例を用いて検討)神奈川県秦野市にて警察官に暴行して公務執行妨害罪に問われたら?

2024-05-15

(架空の事例を用いて検討)神奈川県秦野市にて警察官に暴行して公務執行妨害罪に問われたら?

逮捕されてしまったら

神奈川県秦野市にて、警察官に対して暴行を加え公務執行妨害罪で現行犯逮捕されたという架空の事例を想定して、成立する罪について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部が検討します。

【ケース】

神奈川県秦野市在住のAさんは、秦野市にある会社に勤める会社員です。
Aさんは事件当日、秦野市内のコインパーキングに車を停めて休憩していたところ、秦野市内をパトロールしていた秦野警察署の警察官に声掛けされ、職務質問と所持品検査に応じるよう求められました。
Aさんは応じたくないと考えて拒否しましたが、警察官は粘り強く説得し、カッとなったAさんは警察官の肩を押し転倒させました。

≪ケースはすべてフィクションです。≫

【公務執行妨害罪について】

今回のケースは、神奈川県警察に所属する秦野警察署の警察官に対し、暴行を加えた、という場合を想定しています。
公務員に対し暴行を加え被害者である公務員が怪我をしていないという場合、公務執行妨害罪と暴行罪の成立が考えられます。

(暴行罪)
刑法208条 暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは、2年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。
(公務執行妨害罪)
刑法95条 公務員が職務を執行するに当たり、これに対して暴行又は脅迫を加えた者は、3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金に処する。

公務執行妨害罪は、職務の執行に当たる公務員に対して、暴行や脅迫を加えた場合に成立する罪です。
国または地方公共団体の事務を処理する公務員であれば広く対象となりますが、特に多いのは警察官や救急隊員、市区町村役場の窓口職員に対する公務執行妨害罪です。
公務執行妨害罪における「暴行又は脅迫」は、間接的なものを含めて幅広く認められる可能性があります。

なお、Aさんの行為は暴行罪にも該当しますが、
暴  行  罪:被害者個人の生命身体を保護法益としている
公務執行妨害罪:公務員の公務の遂行を保護法益としている
ことから、それぞれ目的が異なります。

最終的に公務執行妨害罪と暴行罪で起訴された有罪となった場合、一つの行為で複数の罪に該当する観念的競合の問題となりより重い刑が処されることになるため、「3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金」の範囲で刑事罰が言い渡されます。

【弁護活動について】

公務執行妨害罪の場合、先述のとおり保護法益が公務員の公務遂行を目的としているため、暴行罪のように直接の被害者がいるわけではありません。
しかし、迷惑をかけたことに対する謝罪(謝罪文の作成や対面での謝罪)を行ったり、迷惑をおかけしたことに対する謝罪と賠償を行ったりすることがその後の刑事罰に影響する可能性があります。

また、行為の内容や前科・前歴の有無によって、不起訴処分・略式手続による罰金・刑事裁判のいずれも考えられます。
家族が逮捕・勾留された場合、すぐに弁護士に相談することをお勧めします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部は刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
神奈川県秦野市にて、家族が公務執行妨害罪で逮捕・勾留された場合弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部にご相談ください。

神奈川県横須賀市における架空の窃盗事件を踏まえて窃盗罪の成立要件と略式手続についてのブログ

2024-05-12

神奈川県横須賀市における架空の窃盗事件を踏まえて窃盗罪の成立要件と略式手続についてのブログ

神奈川県横須賀市で発生した架空の窃盗事例を題材に、この記事では窃盗罪の法的側面と、犯罪発生時の略式手続きについて掘り下げていきます。窃盗は単に財物を失うだけでなく、被害者の精神的な苦痛を引き起こし、社会全体の安全感を損なう問題です。このような犯罪に効果的に対処するためには、法律の知識が不可欠です。

導入: 窃盗の増加とその社会的影響

窃盗事件は、個人の財産損失だけでなく、地域社会全体の安全性と信頼性にも影響を及ぼしています。窃盗は、単なる財物の盗難以上の意味を持ち、被害者に精神的な苦痛を与えることがあります。また、窃盗犯罪の増加は、地域社会における安全への不安を高め、人々の生活品質に悪影響を及ぼす可能性があります。

この記事では、横須賀市で発生した架空の窃盗事例を通じて、窃盗罪の法的側面と、犯罪が発生した際の略式手続きについて解説します。

事例: 横須賀市でのフィクション事例

横須賀市在住のAさんは、横須賀市内の会社に勤める会社員です。
Aさんは事件当日、友人らとカラオケ店に行って遊んでいたところ、友人の一人が財布を椅子に置いたままにしていることに気付いたため、持ち主がトイレに立った隙に財布の中から現金2万円を窃取しました。
被害者は酒に酔っていたこともあり気付くのに遅れましたが、翌日になって現金が少ないことに気付き、横須賀市内を管轄する横須賀警察署の警察官に相談し被害届を提出しました。

この事例は完全に架空のものであり、実際の人物、場所、事件とは一切関係ありません。しかし、このような窃盗事件は日常生活の中で起こり得るものであり、法的な対応が必要となるケースです。

窃盗罪について: 定義と法的基準

窃盗罪は、他人の財物を盗む行為に対して科される刑罰です。日本の刑法第235条により、他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪として、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処されると定められています。窃盗罪の成立には、財物の占有を侵害する意図が必要であり、単に物を拾った行為だけでは成立しません。

法律上、窃盗の対象となる「財物」とは、経済的価値を有する可動物を指します。この定義は、現金や貴金属だけでなく、衣服や電子機器など、所有者の経済的利益に直接関わるあらゆる物品を含みます。窃盗罪の重要な要素は、被害者の占有から財物を「窃取」する(ひそかに取る)行為にあり、これは基本的に秘密裏に行うことが含まれます。

窃盗の事例としては、店舗からの商品の盗難、人の財布からの現金の抜き取り、または不法に建物に侵入して物を盗むなどがあります。これらの行為は、社会的な信頼関係を損ない、被害者に経済的、精神的な損害を与えるため、法律によって厳しく罰せられます。

窃盗罪の判定には、具体的な状況や行為者の意図が詳細に検討されます。たとえば、遺失物を拾って自己の物とする行為も、特定の条件下では「占有離脱物横領罪」として処罰の対象となることがあります。また、預かっていた金品を自分のものにする行為は横領罪・業務上横領罪として処理されることもあります。このように、窃盗罪は多岐にわたる行為を含む複雑な犯罪類型であり、法律専門家による詳細な分析が必要とされます。

略式手続の概要: 略式手続の流れと適用条件

略式手続きは、比較的軽微な犯罪に対して用いられる、簡易な裁判手続きです。この手続きは、正式な裁判に比べて迅速かつ簡潔に行われることが特徴で、主に罰金刑や科料の科せられる事件に適用されます。

略式手続きの流れは以下の通りです。まず、検察官が事件の性質や被疑者の状況を考慮し、略式起訴の適用を決定します。次に、被疑者は、略式手続に同意する略受けという書類を作成します。その後裁判所は検察官からの申立てに基づき、書面審理のみで罰金や科料を命じる略式命令を出します。被疑者はこの略式命令に対して、一定期間内に異議を申し立てることができ、異議が申し立てられた場合は正式裁判に移行します。異議がなければ、略式命令はそのまま確定し、被告人は指定された罰金を支払うことになります。

略式手続きの適用条件には、事件の簡易明瞭さや、刑事罰に罰金刑・科料が用意されていること、被疑者が罪を認めている場合などがあります。また、罰金額の上限は、一般に100万円以下とされています。略式手続きは、裁判所の負担軽減や、被疑者にとっての迅速な事件解決を目的としていますが、略式命令によっても前科がつくことになるため、その影響を十分に理解した上で対応することが重要です。

略式手続きは、法的な手続きの中でも比較的理解しやすい部類に入りますが、その適用や流れ、影響については、専門的な知識を持つ弁護士に相談することが望ましいです。
例えば、過去には略式手続を打診されたものの当事務所に依頼し、弁護活動をすることによって不起訴処分とされ前科を回避できたというものもございます。
これにより、被疑者は自身の権利を守りつつ、適切な法的対応を取ることができます。

窃盗罪と略式手続の関係: 窃盗罪が略式手続で処理されるケース

窃盗罪が略式手続きで処理される場合は、主にその犯罪行為が比較的軽微であると判断された時です。略式手続きは、簡易な事件に対して迅速かつ効率的に処理を行うための手段であり、罰金刑や科料によって解決されます。窃盗事件において略式手続きが適用される具体的な条件には、以下のようなものがあります。

  1. 被害額が比較的小さい場合: 窃盗された財物の価値が低く、社会的な影響が限定的である場合に略式手続きが選択されることがあります。
  2. 被疑者が犯行を認めている場合: 被疑者が自らの行為を認め、反省している様子が見られる場合、裁判所は略式手続きによる解決を選ぶことがあります。
  3. 初犯である場合: 犯罪歴がなく、今回が初めての犯行である被告人に対しては、略式手続きによる罰金刑が適用されることがあります。

略式手続きによっても、被疑者には前科がつくことになりますが、正式裁判に比べて手続きが簡略化され、迅速に事件が処理される利点があります。また、略式手続きは公開裁判が行われないため、社会的な名誉やプライバシーへの影響が抑えられる側面もあります。

しかし、略式手続きが適用されるか否かは、事件の具体的な状況や検察官の判断によります。そのため、窃盗罪で逮捕された場合は、早急に弁護士に相談し、適切な法的対応を取ることが重要です。弁護士は被疑者の権利を守るために、略式手続きの適用可能性を含めた最善の対策を提案してくれます。

事例における法的分析: 横須賀市の事例を法的観点から分析

横須賀市で発生した架空の窃盗事例において、Aさんが被害者の財布から現金2万を盗んだという行為は、日本の刑法第235条に基づく窃盗罪に該当します。

略式手続きの適用可能性について考察すると、被害額が比較的小さく、初犯である場合など、複数の要件を満たす場合に限り、略式手続きによる処理が考慮される可能性があります。略式手続きは、裁判所が発する略式命令により、罰金刑や科料によって事件が解決されます。この手続きは、事件の迅速な解決を図るとともに、裁判所の負担を軽減する目的があります。

しかし、略式手続きが適用されるかどうかは、検察官の判断や事件の具体的な状況に依存します。Aさんの行為の動機、被害額の大きさ、社会的影響、Aさんの過去の犯罪歴など、様々な要因が考慮されます。
また、被害者との間での示談が成立し、示談書で宥恕(ゆうじょ:被害者が加害者に対して厳しい刑事処罰をのぞまない意思)の文言が入っている場合には、不起訴処分になる可能性が十分に考えられます。

この事例を通じて、窃盗罪の法的な側面と略式手続きの適用条件について理解を深めることができます。また、法律上の問題に直面した際には、専門的な知識を持つ弁護士に相談することの重要性が浮き彫りになります。

まとめと弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部の紹介

本記事では、神奈川県横須賀市で発生した架空の窃盗事例を通じて、窃盗罪と略式手続きの法的側面について解説しました。窃盗犯罪は個人の財産だけでなく、社会の安全と信頼にも影響を及ぼす重大な問題です。

このような犯罪に直面した際には、専門的な知識と経験を持つ法律専門家の支援が欠かせません。ここで、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部の紹介をさせていただきます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部は、窃盗罪を含む様々な刑事事件に対応する専門の法律事務所です。豊富な経験を持つ弁護士が在籍しており、被疑者や被告人の権利を守り、最適な法的サービスを提供しています。また、初回の法律相談は無料で行っており、事件に応じた適切なアドバイスとサポートを提供しています。

刑事事件においては、迅速な対応が求められます。あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部では、事件発生直後から弁護活動を開始し、被疑者や被告人の立場から最良の結果を目指して尽力します。また、家族が逮捕された場合の対応方法や、略式手続きの適用可能性についても、詳細な説明とサポートを行っています。

神奈川県横須賀市にて、窃盗罪をはじめとする刑事事件で加害者になった場合、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部にご相談ください。

飲酒運転を疑われて遠方で逮捕されたらどうなる?考えられる不利益は?報道事例を踏まえて検討

2024-05-09

飲酒運転を疑われて遠方で逮捕されたらどうなる?考えられる不利益は?報道事例を踏まえて検討

自動車事故

神奈川県に住む男性が宮城県石巻市での飲酒運転の嫌疑で逮捕されたという報道事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部が検討します。

【報道】

5日午後、宮城県石巻市の市道で酒を飲んで乗用車を運転したとして神奈川県に住む男が逮捕されました。
男は観光で宮城を訪れ、車はレンタカーでした。
男は「酒を飲んだが車は運転していない」と容疑を否認しています。

酒気帯び運転の疑いで逮捕されたのは神奈川県に住む自称会社員の男(44)です。
警察によりますと、男は5日午後1時半頃、石巻市千石町の市道で酒を飲んで乗用車を運転した疑いが持たれています。
男がパーキングから車を出そうとした際、ゲートバーに衝突する事故を起こし飲酒が発覚しました。
警察に対し男は「酒は飲んだが車は運転していない。飲酒運転の事実は何かの間違いだ」と容疑を否認しています。
男は観光で宮城を訪れ、車はレンタカーでした。警察が当時の状況などを詳しく調べています。

≪TBS NEWS DIG  2024年5月6日(月) 07:14「飲酒運転は何かの間違い」観光で訪れレンタカーで事故起こし飲酒発覚 44歳の男を酒気帯び運転容疑で逮捕 宮城・石巻市≫

【飲酒運転で問題となる罪】

ご案内のとおり、飲酒運転が法律に違反します。
では、どのような罪にあたりどのような刑罰に処されるのでしょうか。
以下で解説します。

・酒気帯び運転
飲酒運転事件の場合、基本的に運転中あるいはその前後を捜査機関に目撃された後、その場で呼気検査を行うことで罪に当たるのか確認します。
その結果、呼気中のアルコール濃度が0.15mg/L以上だった場合、酒気帯び運転とされます。
なお、Aのように停車中に発覚した場合であっても、居酒屋付近の防犯カメラの映像や居酒屋店員の供述次第で、停車していた場所まで飲酒運転をしていたという立証を行うことができれば、捜査機関が酒気帯び運転を現認していなかった場合でも立証することはできると考えられます。

酒気帯び運転に関する条文は以下のとおりです。

道路交通法65条1項 何人も、酒気を帯びて車両等を運転してはならない。
道路交通法117条の2の2 次の各号のいずれかに該当する者は、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
同4号 第65条(酒気帯び運転等の禁止)第1項の規定に違反して車両等(軽車両を除く。次号において同じ。)を運転した者で、その運転をした場合において身体に政令で定める程度以上にアルコールを保有する状態にあつたもの

・酒酔い運転
酒酔い運転は、酒気帯び運転より酷く酒に酔った状態で運転をした場合に成立します。

飲酒運転が酒気帯び運転なのか酒酔い運転なのかについては、呼気検査で呼気に含まれているアルコールの量や、応答の様子、歩行検査(直線を、ふらつかず直進で歩行できるかどうか)等により判断されます。
ここで注意したいのは、酒酔い運転のアルコール基準値自体はないという点です。
酒酔い運転で捜査される方の多くは酒気帯び運転の基準値の数倍が検出されて検挙に至る場合が多いですが、アルコールにとても弱い人などが呼気検査を受けて0.15mg/L未満だった場合でも、歩行検査や応答の様子が明らかに酒酔いの状況であると判断された場合、酒酔い運転として捜査の対象になります。

酒酔い運転に関する条文は以下のとおりです。

道路交通法117条の2 次の各号のいずれかに該当する者は、5年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。
同1号 第65条(酒気帯び運転等の禁止)第1項の規定に違反して車両等を運転した者で、その運転をした場合において酒に酔つた状態(アルコールの影響により正常な運転ができないおそれがある状態をいう。以下同じ。)にあつたもの

【県外で逮捕されたらどこで拘束される?在宅だった場合は?】

まず、飲酒運転のような事件では、警察官が最初の捜査を行い、検察官に送致することになります。
検察官は国家公務員ですが、警察官は都道府県単位の地方公務員です。
そのため、基本的に事件が発生した場所を管轄する警察署の警察官が捜査を行うことになります。

今回の事例であれば、飲酒運転を疑われている男性は神奈川県にお住まいとのことですが、飲酒運転を疑われている場所は宮城県石巻市ですので、宮城県警察が捜査を行うことになります。
そのため、逮捕された場合、宮城県内の警察署の留置施設や拘置所に身柄拘束されることになると考えられます。
そして逮捕から72時間以内に宮城県の検察官が裁判所に勾留請求をして勾留が認められれば身柄拘束が続き、勾留請求をしないあるいは勾留請求が却下された場合には、釈放されて在宅で捜査されます。
逮捕・勾留されて起訴されれば、原則として現地の裁判所で裁判を受けることになります。
今回のケースで仮に勾留され起訴された場合、仙台地方裁判所あるいはその支部にて裁判を受けることになると考えられます。

一方、在宅で捜査を進められる、あるいは釈放されて捜査が進められる場合、現地の警察署で捜査が行われます。
被疑者(容疑者)の方が現地の警察署に行って取調べを受けるか、警察官が被疑者の家の近くの警察署に出張して取調室を借りて取調べが行われます。
そして事件は管轄の検察庁の検察官に送致されますが、その後、被疑者の住所地を管轄する検察庁の検察官に「移送」されることもあります。
移送された後は、被疑者の自宅近くの検察庁で改めて取調べが行われ、起訴された場合には自宅近くの裁判所で裁判を受けることになります。
よって、仮に今回のケースで勾留されずに起訴された場合、宮城県警察の警察官が捜査し、仙台地方検察庁あるいはその支部の検察官に事件送致されたのち、神奈川県の横浜地方検察庁あるいはその支部に移送され、そこで取調べを受けることになります。

【当事務所の強み】

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、札幌から福岡まで全国12支部体制で刑事事件・少年事件の弁護活動を行っています。
当事務所では各支部間で連絡・協力し乍ら事件処理をしているため、
●移送されたら弁護士が一から対応する必要がある
⇒他支部との連携ができるため移送された場合もスムーズに対応できる
●対面で弁護士に話を聞きたいが遠方なので難しい
⇒他の都道府県で家族が逮捕・勾留されていても、最寄りの弁護士が対面で説明できる
など、他の都道府県で家族が身体拘束されている場合でも極力不利益が生じないよう事件対応を進めています。

神奈川県にお住まいの方で、飲酒運転などの嫌疑で家族が他の都道府県で逮捕・勾留されている場合、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部にご連絡ください。
まずは逮捕・勾留されている場所の最寄りの支部から弁護士が初回接見サービス(有料)を行い、今後の見通し等について御説明致します。

建物などへの放火はどのような罪に問われる?放火事件を起こして自首した場合にはどうなる?

2024-05-06

建物などへの放火はどのような罪に問われる?放火事件を起こして自首した場合にはどうなる?

放火

神奈川県川崎市にて建物に放火したという事例を想定して、成立する罪と自首について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部が記述します。

【ケース】

神奈川県川崎市在住のAさんは、川崎市内の会社に勤める会社員です。
Aさんは事件当日、イライラしていたところVさん宅(一軒家)の前を通ろうとしたとき、子どもが自転車で飛び出してきてAさんは轢かれそうになりました。
沸点が最高潮に達したAさんは、自身が持っていたライターのオイルをVさん宅の門扉にかけて、火を付けました。
その後すぐにその場を離れたAさんですが、罪悪感に駆られ、弁護士による無料相談を受けて成立する罪と自首することのメリットについて質問しました。

≪ケースはすべてフィクションです。≫

【放火はどのような罪?】

今回、ケースのAさんはVさん宅の門扉に火を付ける、放火と呼ばれる行為をしました。
放火をした場合に問題となる罪については、火をつけたものが何で、それが自分の所有している物であるか否かにより異なります。

・現住建造物等放火

人が住んでいる家やアパート、あるいは現に人がいる建物などに放火をした場合、現住建造物等放火罪に当たります。
現住建造物等放火罪の条文は以下のとおりです。

刑法108条 放火して、現に人が住居に使用し又は現に人がいる建造物、汽車、電車、艦船又は鉱坑を焼損した者は、死刑又は無期若しくは5年以上の懲役に処する。

・非現住建造物等放火

人が住居として使用していない建物などに放火をした場合には、非現住建造物等放火罪に当たります。
非現住建造物等放火罪の条文は以下のとおりです。

刑法109条1項 放火して、現に人が住居に使用せず、かつ、現に人がいない建造物、艦船又は鉱坑を焼損した者は、2年以上の有期懲役に処する。

・自己所有非現住建造物等放火

自分が所有している空き家などを放火した場合、自己所有非現住建造物等放火罪が適用されます。
ただし、公共の危険がない場合(不特定・多数の生命・身体・財産に脅威を及ぼす状態)であれば罰しないとされています。

刑法109条2項 前項の物が自己の所有に係るときは、6月以上7年以下の懲役に処する。ただし、公共の危険を生じなかったときは、罰しない。

・建物等以外放火

車や鉢植えなど建造物以外のものを放火した場合は、建造物等以外放火罪に当たる可能性があります。
建造物等以外放火罪の条文は以下のとおりです。

刑法110条1項 放火して、前二条に規定する物以外の物を焼損し、よって公共の危険を生じさせた者は、1年以上10年以下の懲役に処する。

・自己所有建造物等以外放火

建物以外の物で、自分の持ち物を放火した場合には、自己所有建造物等以外放火罪に当たる可能性があります。
自己所有建造物等以外放火罪の条文は以下のとおりです。

刑法110条2項 前項の物が自己の所有に係るときは、1年以下の懲役又は10万円以下の罰金に処する。

今回のAさんの場合、対象物が門扉であることから、建造物等以外放火罪の成立が考えられます。
門扉は住宅の壁やドアとは異なり、建造物の一部とは認められないためです。
但し、門扉と自宅が極めて近く、門扉に火を付けたことで建造物にも延焼することを想定して放火した場合、現住建造物等放火未遂罪に当たります。

【自首とは?】

今回のAさんは、捜査機関から連絡が来る前に弁護士事務所に相談のうえ、警察署に行きました。
捜査機関が捜査を行う前に捜査機関に自ら出頭した場合、自首が成立します。
自首については、刑法で以下のとおり規定されています。

刑法42条1項 罪を犯した者が捜査機関に発覚する前に自首したときは、その刑を減軽することができる。

捜査機関から連絡が来ていない場合でも、既に捜査機関が犯人を「被疑者」と特定して捜査が行われていた場合には、自首が成立しません。
自首が成立することにより、
・「刑を減軽」されるかもしれない
・いつ逮捕されるか分からないという不安におびえなくて良い
・自首することで逃亡や証拠隠滅のおそれがないとして、逮捕・勾留されるリスクが下がる
というメリットがあります。

しかし、自首した場合には前科調書が作成され、捜査機関のデータベースに犯歴として残るいわゆる前歴が生じるというリスクがあります。
自首する前に、捜査機関から捜査を受ける可能性、自首のメリットを知りたいという場合、刑事事件の弁護経験が豊富な弁護士に無料相談を受けることをお勧めします。

神奈川県川崎市にて、御自身が放火の罪を犯してしまい自首を検討している場合、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部にご連絡ください。
無料法律相談を行ったうえで、自首の同行や弁護士への依頼について丁寧にご説明致します。

神奈川県相模原市にて児童ポルノ所持事件で捜査されたという架空の事例について検討するブログ

2024-05-03

神奈川県相模原市にて児童ポルノ所持事件で捜査されたという架空の事例について検討するブログ

事件のことを秘密にしたい

神奈川県相模原市にて、児童ポルノ所持が発覚したという架空の事例を前提に、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部が検討します。

【ケース】

神奈川県相模原市在住のAさんは、ある朝、突然自宅に来た警察官に「児童ポルノ所持の事件で令状を持ってきているから部屋の中を見せてください」と言われました。
Aさんが鍵を開けたところ、相模原市内の警察官数名が部屋に入って、スマートフォンやパソコンの場所を示すよう言われ、「これは児童ポルノ所持が疑われる証拠品として押収します」と言われました。
今後自分がどのような状況になるか分からなかったAさんは、刑事事件を専門とする弁護士に、無料法律相談を受けることにしました。

≪ケースはすべてフィクションです。≫

【児童ポルノ所持で問題となる罪】

今回問題となったのは、「児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律」いわゆる児童買春・児童ポルノ処罰法の条文です。
児童買春・児童ポルノ処罰法では、18歳未満を児童とし、児童ポルノについて以下のとおり定義しています。

児童買春・児童ポルノ処罰法2条3項 この法律において「児童ポルノ」とは、写真、電磁的記録…に係る記録媒体その他の物であって、次の各号のいずれかに掲げる児童の姿態を視覚により認識することができる方法により描写したものをいう。
1号 児童を相手方とする又は児童による性交又は性交類似行為に係る児童の姿態
2号 他人が児童の性器等を触る行為又は児童が他人の性器等を触る行為に係る児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するもの
3号 衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって、殊更に児童の性的な部位(性器等若しくはその周辺部、臀部又は胸部をいう。)が露出され又は強調されているものであり、かつ、性欲を興奮させ又は刺激するもの

Aさんの事例では、インターネット上にアップロードされていた児童の性的な動画・画像を「電磁的記録」としてダウンロードし、自身のHDDに記録しているため、児童ポルノ所持の罪で捜査を受けました。

児童ポルノ所持の事例は、サイバーパトロールなどでダウンロードの形跡を見つけ出して捜査が開始される場合、業者が摘発されて業者のリストやクレジットカード情報などから芋づる式に捜査される場合、別の事件を起こしてしまいスマートフォンを押収されその中に児童ポルノに該当する動画・画像が見つかった場合等、事件が発覚する経緯(事件の端緒)は様々です。

【事務所紹介】

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部では、これまでに数多くの児童ポルノ所持事件を扱ってきました。
児童ポルノ所持で捜査を受けている方、自首を検討されている方や、家族が児童ポルノ所持で逮捕されてしまった方は、すぐに弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部にご連絡ください。
在宅事件の場合、事務所にて無料で法律相談を受けることができます。
家族が逮捕・勾留されている場合はこちら。

道路にいたずらでセメント製のブロックを置いたらどうなる?自首の効果は?架空の事例を通じて成立する罪について検討

2024-04-30

道路にいたずらでセメント製のブロックを置いたらどうなる?自首の効果は?架空の事例を通じて成立する罪について検討

自動車事故

神奈川県茅ケ崎市にて、いたずらで公道にブロックを置いたという架空の事例を踏まえ、成立する罪と自首の意味について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部が検討します。

【ケース】

神奈川県茅ケ崎市在住のAさんは、茅ケ崎市の会社に勤める会社員です。
Aさんは、ストレス発散のためいたずらをしようと考え、深夜、茅ケ崎市内の公道にセメントで出来ているブロックを路上に置きました。
その日の午後、家でテレビを見ていたAさんは、茅ケ崎市内で自身が置いたであろうブロックに原動機付自転車を運転していた新聞配達員のVさんが気づかず接触してしまい、Vさんは転倒して意識不明の重体に陥った旨を知りました。
不安になったAさんは、自首を検討し、その前に弁護士に相談しました。

≪ケースはすべてフィクションです。≫

【路上にセメント製のブロックを置く行為で問題となる罪】

ケースのAさんは、公道に大きなセメント製のブロックを置いています。
これが危険な行為であることは言うまでもなく、刑事事件として取り扱われることとなります。

■往来妨害罪

刑法124条1項
陸路、水路又は橋を損壊し、又は閉塞して往来の妨害を生じさせた者は、2年以下の懲役又は20万円以下の罰金に処する。

路上での往来を妨害した場合、往来妨害罪が適用される可能性があります。
ケースについては道路、すなわち陸路の往来の妨害をしたと評価されます。
陸路の往来とは、高速道路や国道・都道府県道・市町村道に限らず、事実上人が通行するための道路であっても対象となるため、公共性を有する私道などについてもその対象となります。
ただし、要件が「損壊」又は「閉塞」とされているため、大きな石やブロックを1個置いた程度では、この要件を満たさない可能性があるため、仮に往来妨害罪で捜査が開始されたとしても、最終的には往来妨害罪で起訴されないということも考えられます。

なお、歩行者や自動車等ではなく鉄道と船舶の往来を妨害した場合、往来妨害罪や道路交通法違反ではなく、より重い往来危険罪や鉄道旅客営業法などにより処罰されます。

■道路交通法違反

道路交通法76条3項 何人も、交通の妨害となるような方法で物件をみだりに道路に置いてはならない。

ケースのAさんは「セメント製のブロック」を道路に置いていることから、サイズや質量などを考慮し、交通の妨害となる恐れがあると評価され、道路交通法違反となります。
罰条は「3月以下の懲役又は5万円以下の罰金に処する」(同法119条1項12の4号)とされています。

■道路法違反

道路法43条 何人も道路に関し、左に掲げる行為をしてはならない。
2号 みだりに道路に土石、竹木等の物件をたい積し、その他道路の構造又は交通に支障を及ぼす虞のある行為をすること。

故意に道路上に交通に支障を及ぼすおそれのある物を置いた場合、道路法に違反します。
違反した場合の罰条は「1年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する」と定めています。

【自首する前に弁護士へ】

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部で行っている無料相談(要予約)では、既に捜査を受けているという方だけでなく、自首をしたいと考えて無料相談に来られる方もおられます。
自首についての条文は以下のとおりです。

刑法42条1項 罪を犯した者が捜査機関に発覚する前に自首したときは、その刑を減軽することができる。

そのため、例えば捜査機関の捜査対象になっていた場合には自首は成立しません。
あくまで、捜査機関が
・そもそも事件が起こったこと自体把握していない
・事件があったことは把握しているが、誰が被疑者(犯人)なのか特定できていない
という場合にのみ、自首は成立するとされています。

自首した場合には逮捕される場合と、在宅で捜査が進められる場合があります。
いずれの場合でも、警察官などの捜査機関は自首したことについての調書を作成する必要があります。(刑事訴訟法245条、同241条、同242条)
また、自首した際に警察官が員面調書(司法警察員面前調書、俗に供述調書)を作成することが多いです。
員面調書は被疑者の他に関係者が対象となる場合がありますが、被疑者の場合、員面調書の作成に際して取調べが行われるため、その前に弁護士に相談・依頼をすることをお勧めします。

【事務所紹介】

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部は刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
当事務所では、線路や道路に石やブロックを置くなどして刑事事件に発展したという事件の経験がございます。
神奈川県茅ケ崎市にて、道路にブロックや大きな石を置くなどのいたずらをしてしまい、自首を検討されている場合、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部にご連絡ください。
逮捕・勾留されていない場合、事務所にて無料で法律相談を受けることができます。

他人に体液をかけたという架空の事例について検討―神奈川県横浜市の刑事事件・少年事件を扱う弁護士事務所

2024-04-27

他人に体液をかけたという架空の事例について検討―神奈川県横浜市の刑事事件・少年事件を扱う弁護士事務所

神奈川県横浜市西区にて、他人に体液をかけた嫌疑で逮捕されたという事架空の事例を想定し、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部が検討します。

【ケース】

神奈川県横浜市西区在住のAさんは、横浜市西区の会社に勤め会社員です。
Aさんは自身の体液をフィルムキャップに入れ、神奈川県横浜市西区の観光地にて観光中の客に対してフィルムキャップに入れていた体液をかけるという行為を繰り返し起こしていました。
複数件の通報を受けていた神奈川県横浜市西区を管轄する戸部警察署の警察官は、捜査の結果Aさんによる犯行の可能性が高いとして、Aさんを逮捕しました。

≪ケースはすべてフィクションです。≫

【体液をかけて問題となる罪―器物損壊罪】

事例でAさんが行った体液をかけるという事件で成立しうる犯罪の1つが、器物損壊罪です。

刑法第261条
前三条に規定するもののほか、他人の物を損壊し、又は傷害した者は、3年以下の懲役又は30万円以下の罰金若しくは科料に処する。

器物損壊罪の条文の「他人の物を損壊し」というのは、器物損壊罪の「損壊」とは、広く物本来の効用を失わせしめる行為を含むとされています。
文字どおり被害品を物理的に破壊してしまうことはもちろんのこと、「(心理的な意味合いも含め)被害品を使えないだろう」という状態にしてしまうことも器物損壊罪の「損壊」に当たるのです。
例えば飲食店にて陶器の食器を意図的に床に叩きつけて割る行為は当然に器物損壊罪に該当しますが、それだけではなく、判例は食器に放尿する行為についても器物損壊罪は成立するとされています(大判明42・4・16)。
これについて、放尿されただけであれば食器自体が物理的に壊れて使えなくなるわけではありませんが、他人が放尿した食器を再び食器として使おうと思える人は少ないでしょう。
そうすると、その食器は「食器」としての効用が失われてしまうと評価され、器物損壊罪のいう「損壊」に当たるということになります。

この「損壊」の意味を考えてみると、今回のAさんの事例で、AさんはVさんの顔や衣服に自身の体液をかけており、その行為がVさんの持ち物を物理的に壊したというわけではありません。
しかし、所有者であるVさんからすれば、他人の体液をかけられた衣服やカバンなどをまた使おうという気にはならないでしょう。
そうなると、AさんがVさんの衣服などの効用を失わせしめる行為をした=器物損壊罪が成立すると考えられるのです。

【体液をかけて問題となる罪―暴行罪】

Aさんがかけた体液がVさんの所持品や衣服ではなくVさんの身体にかかった場合には、暴行罪が成立する可能性があります。

刑法208条 暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは、2年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。

暴行罪の「暴行」とは、他人の身体に対して不法な有形力の行使をすることを指します。
一般によくイメージされる、他人を殴ったり蹴ったりして直接的に暴力を振るうことももちろん暴行罪の「暴行」に当たります。
これに加えて、他人の身体に直接触れなくとも他人の身体に向けて不法な有形力の行使があればよいことから、例えば他人の身体に物を投げつけたりするような行為も暴行罪の「暴行」となりえます。

過去の裁判例では、他人に塩を数回振りかけたという行為が暴行罪に問われたケースで、「刑法第208条の暴行は、人の身体に対する不当な有形力の行使を言うものであるが、右の有形力の行使は、所論のように、必ずしもその性質上傷害の結果発生に至ることを要するものではなく、相手方において受忍すべきいわれのない、単に不快嫌悪の情を催させる行為といえどもこれに該当するものと解すべき」とされ、塩を他人に振りかける行為が暴行罪の「暴行」に当たるとされました(福岡高判昭和46.10.11)。

他人に体液をかけるという行為は、不法な有形力の行使と評価される可能性があり、暴行罪が成立することが考えられます。

【事務所紹介】

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部は刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
当事務所では、これまでに数多くの刑事事件・少年事件の弁護活動を行ってきました。
ケースのように、他人に体液をかけるという事件は少なからず実在します。
今回のケースの事件について考えると、被害者への示談交渉に加え、性犯罪を専門とする医療機関等を紹介し再犯に走らないための対策を講じる必要があります。

神奈川県横浜市西区にて、他人に体液をかけるなどして暴行罪や器物損壊罪に問われている方、家族がそれらの嫌疑で逮捕されている方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部にご連絡ください。

神奈川県横浜市中区のインターネットカフェで睡眠作用のある薬物を飲料に混ぜて性交等をしたという報道について検討

2024-04-24

神奈川県横浜市中区のインターネットカフェで睡眠作用のある薬物を飲料に混ぜて性交等をしたという報道について検討

横浜市中区にて、インターネットカフェで被害女性に対し睡眠薬のようなものを用いて眠らせた隙に性交等に及んだ男性が逮捕されたという事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部が検討します。

【報道】

神奈川県警伊勢佐木署は3日、準強制性交の疑いで、中国籍で住所不定、職業不詳の男(29)を逮捕した。
逮捕容疑は、昨年1月22日午後10時20分ごろから同23日午前5時50分ごろまでの間、横浜市中区のインターネットカフェで、意識もうろう状態だった20代の会社員女性に性的暴行をした、としている。男は「覚えていない」などと供述している。
署によると、同市西区の飲食店で女性に睡眠作用のある薬物を飲料水に混ぜて飲ませ、意識もうろうの状態にし、インターネットカフェに連れ込んだとみられる。2人はSNS(交流サイト)で知り合ったばかりだった。女性が被害届を出し、インターネットカフェの利用履歴やSNSなどから男が浮上した。

<神奈川新聞「横浜のネットカフェで女性に性的暴行…容疑で逮捕の29歳「覚えていない」」2024年4月3日(水)23:08配信>

【睡眠薬を飲ませて被害者を眠らせ性的暴行を加えた場合に成立する罪】

今回の報道事例によると、捜査機関は
①被害者に睡眠作用のある薬を飲ませた
②意識が朦朧としていた間に性行為をした
という嫌疑をかけているようです。

■①傷害罪の成立

まず、①について、無断で睡眠作用のある薬を飲ませる行為は、傷害罪に該当します。
条文は以下のとおりです。

刑法204条 人の身体を傷害した者は、15年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

傷害罪は、被害者の身体を傷害した場合に成立する罪です。
睡眠作用のある薬物を飲ませる行為は、適量を守った場合、効果が限定的でいずれ作用がなくなる(目が覚める)と考えられます。
しかし、傷害罪の言う傷害とは「他人の身体に対する暴行により…健康状態の不良な変更を惹起(引き起こす)ことをいう」とされています。(大判明45・6・20)
被害者を眠った状態にする行為は、健康状態の不良な変更を引き起こす行為であると言えますので、傷害罪にあたると考えられます。

■②不同意性交罪・準強制性交罪の成立

次に、①の状況で意識が朦朧としている女性に対し、性行為をしている点が問題となります。
報道によると、男性は準強制性交罪で逮捕されています。

≪※法改正前≫
刑法177条 13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いて性交、肛門性交又は口腔性交(以下「性交等」という。)をした者は、強制性交等の罪とし、5年以上の有期懲役に処する。(略)
刑法178条2項 人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて、性交等をした者は、前条の例による。

今回の男性が逮捕された準強制性交罪は、令和5年の刑法改正以前の罪名です。
刑事事件は、刑事不遡及の原則といって法律が制定される以前の行為を事後法で処罰することはできないとされています。
今回の場合、事件が令和5年1月22日と、2023年(令和5年)6月16日の刑法改正以前の事件であり、被害者を睡眠作用のある薬で眠らせることで「心神を喪失」させて性交等をしたとされているため、この罪で逮捕されたと考えられます。

【傷害罪・不同意わいせつ罪は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部へ】

加害者が被害者の連絡先を知っている場合、接触する可能性が高く証拠隠滅のおそれがあるとして身体拘束のリスクが高くなります。
また、今回の報道事例の場合、被害者を眠らせてその隙に性交等しているという犯行態様が悪質な点から、実刑判決を言い渡される可能性もあるとして、逃亡の恐れがあり勾留の必要性があると評価されることも考えられます。

弁護士は、事件の性質に即して身体拘束の可能性や釈放・保釈されるタイミング、必要な弁護活動について状況に即して検討し説明することが求められます。
神奈川県横浜市中区にて、家族が被害者に睡眠作用のある薬を飲ませ、その隙に性交等したことで、傷害罪や準強制性交罪・不同意性交等罪に問われている場合、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部にご連絡ください。

不同意わいせつ事件でいわゆる再逮捕をされたら?神奈川県小田原市での架空の事例を通じて検討

2024-04-21

不同意わいせつ事件でいわゆる再逮捕をされたら?神奈川県小田原市での架空の事例を通じて検討

淫行

記事では、神奈川県小田原市にて不同意わいせつ事件を繰り返していた男性が逮捕され、その後再逮捕されたという架空の事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部が検討します。

【ケース】

神奈川県小田原市在住のAさんは、小田原市内の会社に勤める会社員です。
Aさんは、性的欲求を満たす目的で、深夜に小田原市内をうろつき、歩いている女性を探して1人であることを確認したうえで被害者の後ろから突然抱きつき、胸を揉みしだくなどのわいせつ行為を繰り返しました。
小田原市内を管轄する小田原警察署の警察官は、複数人の被害者による被害申告を踏まえ、捜査した結果Aさんによる犯行であるという裏付けが取れたため、Aさんを不同意わいせつ罪で通常逮捕しました。

Aさんの担当弁護士は、Aさんの家族に対し、Aさんは再逮捕される可能性が高いため身体拘束の期間は長期に亘ると説明しました。

≪ケースはすべてフィクションです。≫

【不同意わいせつ事件について】

令和5年6月16日の改正刑法により、従来「強制わいせつ罪」「準強制わいせつ罪」と称されていた罪が「不同意わいせつ罪」と変わりました。
条文は以下のとおりです。

刑法176条1項 次に掲げる行為又は事由その他これらに類する行為又は事由により、同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせ又はその状態にあることに乗じて、わいせつな行為をした者は、婚姻関係の有無にかかわらず、6月以上10年以下の拘禁刑に処する。
1号 暴行若しくは脅迫を用いること又はそれらを受けたこと。
2号 心身の障害を生じさせること又はそれがあること。
3号 アルコール若しくは薬物を摂取させること又はそれらの影響があること。
4号 睡眠その他の意識が明瞭でない状態にさせること又はその状態にあること。
5号 同意しない意思を形成し、表明し又は全うするいとまがないこと。
6号 予想と異なる事態に直面させて恐怖させ、若しくは驚愕させること又はその事態に直面して恐怖し、若しくは驚愕していること。
7号 虐待に起因する心理的反応を生じさせること又はそれがあること。
8号 経済的又は社会的関係上の地位に基づく影響力によって受ける不利益を憂慮させること又はそれを憂慮していること。
2項 行為がわいせつなものではないとの誤信をさせ、若しくは行為をする者について人違いをさせ、又はそれらの誤信若しくは人違いをしていることに乗じて、わいせつな行為をした者も、前項と同様とする。
3項 16歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者(当該16歳未満の者が13歳以上である場合については、その者が生まれた日より5年以上前の日に生まれた者に限る。)も、第1項と同様とする。

法改正以前の刑法では、強制わいせつ罪の定義は「13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者」と「13歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者」としていました。
暴行又は脅迫とされているため、暴力や暴言のほか、隙をついて行うわいせつ行為も暴行として処罰対象とされていました。

今回想定している事例では、Vさんは抵抗する隙があり、Aさんも暴行や脅迫を行っていないことから、強制わいせつ罪としては問えなかったと考えられます。
しかし不同意わいせつ罪の場合、176条1項5号で「同意しない意思を…表明し」「わいせつな行為をした者」としていることから、Aさんの行為は不同意わいせつ罪に当たると考えられます。

【再逮捕とは?】

我が国の刑事司法では、一罪一逮捕一勾留が原則です。
つまり、一つの犯罪に対して逮捕・勾留は一度限りであるべきだとされています。
そのため、1つの事件に対して被疑者を拘束できるのは逮捕から最大で23日で、担当する検察官はそれまでに被疑者を起訴して起訴後勾留に移るか、釈放しなければなりません。
但し、刑事訴訟法では以下のとおり規定されています。

刑事訴訟法198条1項 検察官、検察事務官又は司法警察職員は、被疑者が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由があるときは、裁判官のあらかじめ発する逮捕状により、これを逮捕することができる。ただし、30万円…以下の罰金、拘留又は科料に当たる罪については、被疑者が定まつた住居を有しない場合又は正当な理由がなく前条の規定による出頭の求めに応じない場合に限る。
3項 検察官又は司法警察員は、第一項の逮捕状を請求する場合において、同一の犯罪事実についてその被疑者に対し前に逮捕状の請求又はその発付があつたときは、その旨を裁判所に通知しなければならない。

この刑事訴訟法199条3項をみると、一度逮捕している被疑者に対し、同一の犯罪で改めて逮捕することを、刑事訴訟法は認めていることになります。
判例も、「同一の被疑事実によって被疑者を再度にわたり逮捕することも、相当の理由がある場合には許される。」としています。(東京高判昭48・10・16)
但し、判例が「相当の理由がある場合には」と限定的な言い方をしていることから、刑事訴訟法のいう再逮捕がなされることは極稀です。

ところで、テレビやインターネットニュースなどでしばし「神奈川県警小田原警察署は●●容疑者を不同意わいせつの疑いで再逮捕した」という報道をよく目にすることがあるかと思います。
これは、刑事訴訟法上の意味での再逮捕ではなく、別の事件で逮捕・勾留されていた被疑者を、他の事件で逮捕した場合を指すことがほとんどです。
上記のケースでも、こちらの意味で再逮捕という言葉を用いました。
つまり、Xの事件で逮捕・勾留していた被疑者をXの事件で逮捕することが本来の刑事訴訟法が想定している再逮捕で、これは一罪一逮捕一勾留の原則の例外と言えますが、Xの事件で逮捕・勾留していた被疑者をYの事件で逮捕することが一般的に言われる再逮捕で、これは一罪一逮捕一勾留の原則に反しません。

再逮捕が、刑事訴訟法上の意味であるか一般的な意味であるかは、極めて重要です。

【いわゆる再逮捕されそうな場合はすぐに弁護士に相談を】

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部では、ケースのように余罪と呼ばれる別の犯罪を多数抱えていて今後再逮捕が複数回予定されているという事案をこれまでに多数扱ってきました。
基本的に、一般的な意味での再逮捕は法律上避けては通れません。
しかし、弁護士は捜査機関(警察官・検察官)とも協議し乍ら、被疑者の捜査に協力しつつ早期の身柄解放を求めます。
神奈川県小田原市にて、家族が不同意わいせつ事件を起こしてしまい逮捕され、いわゆる余罪での再逮捕が見込まれる場合、すぐに弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部にご連絡ください。

神奈川県大和市でストーカー行為をしたらどうなる?フィクション事例を通じて成立する罪と弁護活動について検討するブログ

2024-04-18

神奈川県大和市でストーカー行為をしたらどうなる?フィクション事例を通じて成立する罪と弁護活動について検討するブログ

ストーカーが倫理的に問題であることはご承知のとおりですが、法的にも禁止されていて違反した場合には刑事罰が科せられることになります。
ストーカー規制法はどのような行為を禁止し処罰するのかについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部が検討します。

【ケース】

神奈川県大和市在住のAさんは、大和市内の会社に勤める会社員です。
ある日、Aさんの家に大和市内を管轄する大和警察署の警察官が自宅に来て、Aさんをストーカー規制法違反で通常逮捕しました。
Aさんの家族はAさんが逮捕された一部始終を見ていて、どのようにすれば良いか分からず、すぐに弁護士に初回接見を依頼しました。

≪ケースはすべてフィクションです。≫

【ストーカー規制法の目的と定義】

「ストーカー行為等の規制等に関する法律(略してストーカー規制法)」では、法律の目的として、「この法律は、ストーカー行為を処罰する等ストーカー行為等について必要な規制を行うとともに、その相手方に対する援助の措置等を定めることにより、個人の身体、自由及び名誉に対する危害の発生を防止し、あわせて国民の生活の安全と平穏に資することを目的とする。」と規定しております。

犯行は、「特定の者に対する恋愛感情その他の好意の感情又はそれが満たされなかったことに対する怨恨の感情を充足する目的」が必要となります。

「つきまとい等」は、上記目的で、当該特定の者又はその配偶者、直系若しくは同居の親族その他当該特定の者と社会生活において密接な関係を有する者に対し、次の各号のいずれかに掲げる行為をすることをいいます。
1 つきまとい、待ち伏せし、進路に立ちふさがり、住居、勤務先、学校その他その現に所在する場所若しくは通常所在する場所(以下「住居等」という。)の付近において見張りをし、住居等に押し掛け、又は住居等の付近をみだりにうろつくこと。
2 その行動を監視していると思わせるような事項を告げ、又はその知り得る状態に置くこと。
3 面会、交際その他の義務のないことを行うことを要求すること。
4 著しく粗野又は乱暴な言動をすること。
5 電話をかけて何も告げず、又は拒まれたにもかかわらず、連続して、電話をかけ、文書を送付し、ファクシミリ装置を用いて送信し、若しくは電子メールの送信等をすること。
6 汚物、動物の死体その他の著しく不快又は嫌悪の情を催させるような物を送付し、又はその知り得る状態に置くこと。
7 その名誉を害する事項を告げ、又はその知り得る状態に置くこと。
8 その性的羞恥心を害する事項を告げ若しくはその知り得る状態に置き、その性的羞恥心を害する文書、図画、電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下この号において同じ。)に係る記録媒体その他の物を送付し若しくはその知り得る状態に置き、又はその性的羞恥心を害する電磁的記録その他の記録を送信し若しくはその知り得る状態に置くこと。

「位置情報無承諾取得等」とは、上記目的で、当該特定の者又はその配偶者、直系若しくは同居の親族その他当該特定の者と社会生活において密接な関係を有する者に対し、その承諾を得ないで、相手の位置情報を取得したり、位置情報が分かる道具を相手に取り付けさせたりすることをいいます。
相手のGPS情報を取得したり、GPS機器を相手に取り付けたりすることをいいます。

「ストーカー行為」とは、同一の者に対し、つきまとい等又は位置情報無承諾取得等を反復してすることをいいます。
つきまとい等に関して、第1号から第4号までと、第5号の電子メールの送信等に係る部分の行為については、身体の安全、住居等の平穏若しくは名誉が害され、又は行動の自由が著しく害される不安を覚えさせるような方法により行われる場合に限ります。

何人も、つきまとい等又は位置情報無承諾取得等をして、その相手方に身体の安全、住居等の平穏若しくは名誉が害され、又は行動の自由が著しく害される不安を覚えさせてはなりません。

【ストーカー規制法における警告】

警視総監若しくは道府県警察本部長又は警察署長は、つきまとい等又は位置情報無承諾取得等をされたとして当該つきまとい等又は位置情報無承諾取得等に係る警告を求める旨の申出を受けた場合において、当該申出に係る違反する行為があり、かつ、当該行為をした者が更に反復して当該行為をするおそれがあると認めるときは、当該行為をした者に対し、更に反復して当該行為をしてはならない旨を「警告」することができます。

【ストーカー規制法における禁止命令等】

都道府県公安委員会は、違反する行為があった場合において、当該行為をした者が更に反復して当該行為をするおそれがあると認めるときは、その相手方の申出により、又は職権で、当該行為をした者に対し、次に掲げる事項を命ずる「禁止命令等」をすることができます。
1 更に反復して当該行為をしてはならないこと。
2 更に反復して当該行為が行われることを防止するために必要な事項
原則として聴聞を行わなければなりません。
禁止命令等の効力は、禁止命令等をした日から起算して1年です。
期間は1年ごとに延長することができます。

【ストーカー行為等での罰条】

ストーカー行為をした者は、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処されることになります。
更に反復してつきまとい等又は位置情報無承諾取得等をしてはならないことの禁止命令等に違反してストーカー行為をした者は、2年以下の懲役又は200万円以下の罰金に処されることになります。
更に反復してつきまとい等又は位置情報無承諾取得等をしてはならないことの禁止命令等に違反して、つきまとい等又は位置情報無承諾取得等をすることにより、ストーカー行為をした者も、同様となります。
更に反復してつきまとい等又は位置情報無承諾取得等をしてはならないことの禁止命令等に違反して、ストーカー以外の行為をした者は、6月以下の懲役又は50万円以下の罰金に処されることになります。

【ストーカー規制法違反での弁護活動】

ストーカー規制法違反では、ストーカーされた側である被害者の意向が重要になります。
被害者の中には、加害者がまた接触を試みて来るのではないかと不安に思っている場合が少なくありません。
担当する弁護士は、被害者に対し、丁寧に説明を繰り返す必要があります。
被害者の意向次第で示談交渉を行うことになりますが、示談交渉では、被害者が二度と加害者に接触しないよう、
・加害者は被害者の連絡先を削除し連絡や接触をしない
・被害者の転居費用を負担する
・加害者が特定の場所(被害者の生活圏)に立ち寄らない
といった提案を行い、被害者に安心して頂く必要があります。

仮にストーカーが誤解であり被疑者が罪を否定している場合には、捜査機関による取調べや捜査を注視し、どのような証拠を以てストーカーを疑っているのか探り、不起訴(嫌疑不十分・嫌疑なし)を求める必要があります。

神奈川県大和市にて、家族がストーカー規制法違反で通常逮捕された場合、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部の初回接見サービスをご利用ください。

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