【お客様の声】盗撮をした少年事件で審判不開始
駅のエスカレーターでスカート内を撮影したいわゆる盗撮事件で審判不開始が決定した少年の事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部が解説致します。
【事例】
神奈川県川崎市川崎区在住のAさんは、川崎市内の高校に通う高校1年生でした。
Aさんは事件当日、川崎市川崎区にある鉄道駅の登りエスカレーターで、前に立っていたVさんのスカート内にスマートフォンのカメラを差し向けるいわゆる盗撮行為を行いました。
Aさんの後ろに立っていた通行人がAさんの盗撮行為に気付き、通行人の通報を受けて臨場した川崎市川崎区を管轄する川崎警察署の警察官により在宅で捜査を受けることになりました。
Aさんは一貫して罪を認めていて、反省し、謝罪の言葉を口にしていました。
依頼を受けた当事務所の弁護士は、早々に捜査機関を通じて被害者の方に連絡し、事件の状況とAさんとAさんの保護者に謝罪と弁済をしたいという意思があることを伝えたところ、示談に応じて頂きました。
成人の刑事事件では、盗撮事件で余罪・前科がない場合、示談が成立している事件では不起訴処分(起訴猶予)となることがほとんどですが、少年事件の場合、原則として検察官は事件を家庭裁判所に送致しなければなりません。
Aさんの事件も、警察官・検察官の捜査が行われた後、家庭裁判所に送致されました。
家庭裁判所に送致された後、AさんとAさんの保護者は家庭裁判所調査官による調査面談等が行われました。
弁護士は調査官面談の前後でヒアリングを行い、AさんとAさんの保護者に事件前・事件直後・現在とでどのような変化が見られたか、確認しました。
そして、家庭裁判所調査官とも電話協議を重ねた結果、最終的にAさんには保護処分は必要がないため、審判を開始する必要がないとの意見を書面にして提出しました。
結果的に、Aさんは審判不開始の決定を言い渡されました。
≪守秘義務・個人情報保護のため、事件地等や一部事件内容を変更しています。≫
【盗撮について】
本件は、「性的な姿態を撮影する行為等の処罰及び押収物に記録された性的な姿態の影像に係る電磁的記録の消去等に関する法律」の制定・施行以前に発生した事件であることから、神奈川県迷惑行為防止条例に違反する行為として捜査され、家庭裁判所送致されました。
なお、現行法の性的姿態等撮影罪については併せてコチラをご覧ください。
【審判不開始を求める弁護活動】
少年事件では、一定の重大事件を除き、家庭裁判所の裁判官が審判廷で少年に対する保護処分を決めることになっていますが、Aさんの事例では、結果的にその審判を行わない判断がなされたため、保護処分を言い渡されることはありませんでした。
弁護士(家庭裁判所送致後は立場が付添人弁護士となります。)は、家庭裁判所に対して審判不開始を求める意見書を提出していますが、これはAさんの「軽い処分」を求めるというだけの意味ではありません。
確かに、事件前のAさんとAさんの保護者には問題があり、その結果Aさんは盗撮をしてしまったが、事件後に家族での話し合い・弁護士との話し合い・家庭裁判所調査官との話し合いの場を通じてAさんが内省を深めたこと、仮に今回の盗撮事件で処分をされなかったとしても家族の更生に向けたサポート体制が整っていて再犯のおそれがないこと、が確認できたことから、審判が不要であるという主張をしました。
家庭裁判所の裁判官は、その意を酌んで、Aさんに審判不開始の決定を言い渡したと考えられます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部は刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
当事務所では、これまでに数多くの少年事件に携わり、Aさんの事件を含め審判不開始となった少年事件も少なくありません。
神奈川県川崎市川崎区にて、20歳未満のお子さんが盗撮事件で捜査を受けていて審判不開始に向けた対応等について知りたい方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部の弁護士による無料法律相談をご利用ください。