【解決事例】性行為中のトラブルで被害申告前に対応
双方同意の上での性行為をしたものの、その際にトラブルが生じ、その件で謝罪金を求められていたが被害申告前に解決したという事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部が解説致します。
【事例】
神奈川県南足柄市在住のAさんは、南足柄市内の会社に勤める会社員です。
Aさんには内妻がいましたが、その人とは別の既婚者Vさんといわゆる不倫関係にありました。
その後Vさんとは関係解消しましたが、VさんはAさんに対し、交際中に性行為をした際に膣内が傷つけられたことがあり、その謝罪金を求めました。
実際にAさんは性行為中にVさんが痛がっていたことがあったため、Vから提示された金額を毎月支払っていました。
ところが、突然Vさんが感情的になり「納得がいかないので南足柄市の松田警察署に訴えてやる」と言われ、不安になり当事務所の弁護士による無料相談を受けその後弁護を依頼されました。
≪守秘義務・個人情報保護のため、事件地や一部事件内容を変更しています。≫
【今回問題となる可能性のあった罪】
性的な行為の最中に被害者を傷つけたという場合、まずは強制性交等致傷罪が検討されます。
条文は以下のとおりです。
(強制性交致傷等)
刑法181条2項 第177条、第178条第2項若しくは第179条第2項の罪又はこれらの罪の未遂罪を犯し、よって人を死傷させた者は、無期又は6年以上の懲役に処する。
(強制性交等罪)
刑法177条 13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いて性交、肛門性交又は口腔性交をした者は、強制性交等の罪とし、5年以上の有期懲役に処する。13歳未満の者に対し、性交等をした者も、同様とする。
強制性交等致傷罪は法定刑が「無期又は6年以上の懲役」とされていて、裁判員裁判対象事件です。
強制性交等致傷罪で起訴され有罪となった場合、厳しい刑事処罰が科せられる可能性があります。
但し、今回の事例については、不倫関係のあった相手に対し、合意の上で性行為をしていて、その際に膣内が傷ついた、という事件であり、「暴行又は脅迫を用いて性交」等を行っているわけではありません。
そのため、もし立件された場合でも、強制性交等致傷罪は適用されません。
また、AさんはVさんに暴行を加えようとして怪我させたわけでもないため、傷害罪も適用されないでしょう。
この場合、過失傷害罪の適用が考えられます。
条文は以下のとおりです。
刑法209条1項 過失により人を傷害した者は、30万円以下の罰金又は科料に処する。
※罰金は原則1万円以上、科料は1,000円以上1万円未満です。
【被害申告の前に弁護士に依頼】
Aさんに科せられる可能性がある罪は過失致傷罪という比較的軽微なものであると考えられますが、何も対応しなければ
・Vさんから言われたまま謝罪金を支払い続ける
・Vさんが被害申告した場合には警察官等の家宅捜索を受ける等して家族に発覚
・捜査に必要と判断された場合には逮捕・勾留される可能性もある
ことが考えられました。
依頼を受けた弁護士は、まずはAさん自身にしっかりとお話を聞きました。
次に、電話でVさんのお話をしっかりと聞こうとしたところ、Vさんは弁護士との話でも感情的になってしまい、最初は一方的な罵詈雑言を受けました。
しかし、弁護士が粘り強く電話・メールでの説明を続けたところ、冷静になり、これ以上の追加の請求は行わないこと、被害申告は行わないこと、等の意向を確認することができました。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部は刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
当事務所では、刑事事件化・被害申告される前の事件についても取り扱っています。
被害者がいる事件の場合、当事者間での謝罪・弁済・示談締結等の対応は必要不可欠ですが、加害者―被害者の当事者間だけでそれを行うことは極めて難しいと言えます。
神奈川県南足柄市にて、不倫相手、あるいは元不倫相手との性交中に相手を怪我させてしまい、強制性交等致傷罪や過失傷害などで被害申告を行うと言われた場合、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部の無料相談をご利用ください。
どのような罪に当たるのか、必要な弁護活動はどのようなものか、等についてご説明致します。