【解決事例】トイレの盗撮事件で刑事事件化阻止
トイレの個室に小型カメラを設置した盗撮事件で刑事事件化阻止したという事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部が解説いたします。
【事例】
神奈川県横浜市中区在住の男性Aさんは、横浜市中区の会社に勤める会社員です。
Aさんは会社の女性用トイレに小型カメラを設置したところ、トイレ利用者によって小型カメラが発見され、会社内で問題となっていました。
Aさんは自ら自分が小型カメラを設置し盗撮してしまったことを認め、謝罪した後、刑事事件化を避けるべく当事務所の弁護士による相談を受け、弁護を依頼しました。
トイレにスマートフォンや小型カメラを設置するかたちでの盗撮事件の場合、被害者が多いことから示談交渉に難航する事案が少なくありません。
今回の事件では、トイレにカメラを設置された会社が代理人になってくれたため、会社を通じてのやり取りが行われました。
被害者の方が多いことから、お一人お一人の意向を確認し丁寧に対応していった結果、最終的に被害者の方全員が示談に応じてくださいました。
その結果、被害者全員が被害届を出さなかったことから、Aさんの事案は刑事事件化阻止というかたち解決しました。
≪守秘義務・個人情報保護のため、事件地や一部事件内容を変更しています。≫
【トイレの盗撮】
今回のAさんの行為について確認すると、男性であるAさんは女性用のトイレに侵入し、小型カメラを設置して盗撮行為をしています。
この場合には、「女性用のトイレに侵入したこと」と「盗撮のためカメラを設置した」ことが問題となります。
①トイレに侵入した行為
まずトイレに侵入した行為について、これは建造物侵入罪が成立します。
条文は以下のとおりです。
刑法130条 正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入し、又は要求を受けたにもかかわらずこれらの場所から退去しなかった者は、3年以下の懲役又は10万円以下の罰金に処する。
トイレは、建造物として評価されます。
盗撮をするために異性用のトイレに入る行為は、正当な理由とは言えませんので、建造物侵入罪が適用されます。
②トイレの個室にカメラを設置して盗撮する行為
次に、トイレの盗撮行為について検討します。
盗撮行為については、盗撮罪という罪はなく、
・各都道府県の定める迷惑防止条例に違反する場合は条例違反に
・迷惑防止条例に規定がない場合には軽犯罪法のいう「正当な理由がなくて人の住居、浴場、更衣場、便所その他人が通常衣服をつけないでいるような場所をひそかにのぞき見た者」として軽犯罪法違反に
それぞれ該当します。
今回の事件は、神奈川県横浜市中区での事件ですが、神奈川県の迷惑防止条例では以下のとおり規定されているため、条例違反として処理されます。
神奈川県迷惑行為防止条例3条3項
何人も、人を著しく羞恥させ、若しくは人に不安を覚えさせるような方法で住居、浴場、更衣場、便所その他人が通常衣服等の全部若しくは一部を着けないでいるような場所にいる人の姿態を見、又は、正当な理由がないのに、衣服等の全部若しくは一部を着けないで当該場所にいる人の姿態を見、若しくはその映像を記録する目的で、写真機等を設置し、若しくは人に向けてはならない。
【盗撮事件での弁護活動で刑事事件化回避】
盗撮事件は被害者がいる事件ですので、被害者に対する謝罪と賠償を含めた示談締結が最も有効な弁護活動と言えます。
今回のAさんのように、刑事事件に発展する前に示談交渉を行い示談が成立した場合、刑事事件化を阻止することができる場合もあります。
とはいえ、盗撮の被害者やその家族の方の多くは、盗撮した被疑者に対し憎悪の念を抱いていて直接の接触を避けたいと考えるでしょう。
そこで、第三者で且つ法律の専門家である弁護士に弁護を依頼し、弁護士により丁寧な説明と示談交渉を行うことが重要です。
神奈川県横浜市中区にて、盗撮事件を起こしてしまい刑事事件化阻止したい、被害者に謝罪し示談交渉をしたいという場合、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部の無料相談をご利用ください。