同意の上での性交で逮捕
13歳未満の少女への強制性交等罪で逮捕された事件がありました。
刑務官 強制性交の疑いで逮捕
Yahoo!ニュース(KKB鹿児島放送)
この事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部が解説します。
~交際していた~
この事件は、刑務所の刑務官が、SNSで知り合った13歳未満の少女とみだらな行為をしたとして逮捕された、というものです。
少女の祖父が警察に相談し、逮捕に至ったとのことです。
逮捕されたのが刑務官であるという点も驚きかもしれません。
さらに刑務官と少女は、「交際していた」と話しているとのこと。
つまり、みだらな行為をすることについて、少女も同意していたと思われます。
しかし今回、刑務官は、強制性交等罪の疑いで逮捕されました。
なぜでしょうか。
ここで、刑法の条文を見てみましょう。
刑法177条
十三歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いて性交、肛門性交又は口腔性交(以下「性交等」という。)をした者は、強制性交等の罪とし、五年以上の有期懲役に処する。十三歳未満の者に対し、性交等をした者も、同様とする。
この条文の1文目は、13歳以上の者に対し、暴行または脅迫を用いて性交等をした場合に、5年以上の有期懲役(上限は余罪がなければ20年)になると書かれています。
一方、2文目には、暴行や脅迫といった文言はなく、単に13歳未満の者に対し性交等をした場合に、同じく5年以上の有期懲役になるということが書かれています。
つまり、13歳未満が相手の場合には、暴行脅迫を使わなくても、いくら相手が同意していたとしても、強制性交等罪が成立することになってしまうのです。
今回のように、交際していた者同士だったとしても、犯罪となってしまうということです。
もちろん、本当に交際しているのであれば、少女の側がみずから警察に相談するということは考えにくいでしょう。
しかし今回のように、少女の家族が警察に相談して、事件化するということは十分考えられます。
とてもリスクがある行為だと言えます。
なお、13歳以上18歳未満が相手の場合も、たとえ同意の上で性交等をしていても、今度は各都道府県が制定する青少年保護育成条例といった名称の条例に違反するとして検挙される可能性があります。
神奈川県の条例を見てみましょう。
神奈川県青少年保護育成条例
第31条1項
何人も、青少年に対し、みだらな性行為又はわいせつな行為をしてはならない。
第53条1項
第31条第1項の規定に違反した者は、2年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。
俗に淫行条例とも言われているものです。
強制性交等罪に比べると罰則が軽いですが、それでも逮捕されるなど大ごととなる可能性があります。
さらに、同意の上での性交等の中でも、お金を渡して性交等をする、いわゆる児童買春の場合には、条例よりも重い罰則があります。
児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律
第4条
児童買春をした者は、五年以下の懲役又は三百万円以下の罰金に処する。
このように、18歳未満の者との性交等は、たとえ同意があったとしても、様々なリスクが存在することになります。
~心配な場合は弁護士にご相談を~
もしあなたや、あなたのご家族が、18歳未満との性行為について、逮捕された、警察に呼び出されたといった場合、あるいは事件化しそうで心配といった場合には、ぜひお早めに、弁護士にご相談ください。
具体的な事情をお聞きした上で、今後どのような展開になりそうか、どのような対応を採るべきかなど、疑問点にお答えいたします。
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