神奈川県小田原市で野球賭博②
【ケース】
≪詳細については、昨日のブログをご覧ください。≫
神奈川県小田原市に住むAが、X主催の野球賭博に何度も参加していた、という事案です。
小田原警察署の警察官は、Aを常習賭博罪で逮捕しました。
Aの親族は、刑事事件専門の弁護士に逮捕されたAに対する弁護活動を依頼し、野球賭博がどのような罪に当たるのか、野球賭博のような被害者のいない事件ではどのような弁護活動があるのか、相談しました。
(フィクションです。)
【野球賭博に関する罪について】
≪各罪の詳細については、昨日のブログをご参照ください。≫
・単純賭博罪(刑法185条)
・常習賭博罪(刑法186条1項)
・賭博場開帳等図利罪(刑法186条2項)
ケースについて見ると、Aは頻繁に野球賭博に参加しています。
よって、常習賭博罪に当たる可能性があります。
また、「常習として賭博をしていた者」と立証するだけの証拠がなかった場合、単純賭博罪が適用されることも考えられます。
ご案内の通り、単純賭博罪の法定刑は「50万円以下の罰金又は科料(千円以上1万円未満を納付するという刑罰)」であり、常習賭博罪は「3年以下の懲役」です。
常習賭博罪の場合、裁判になって有罪判決を受けた場合、執行猶予が付かない限り刑事収容施設に収容されるということになります。
また、野球賭博を開催しているXについては、賭博場開帳等図利罪が適用される可能性があります。
【賭博罪の例外について】
先述の通り、賭博は「原則」禁止されています。
では、なぜ競馬や競艇、パチンコといった賭け事が堂々と行われているのでしょうか。
時代は戦後、財政上の理由から、「特別法をもって」競輪・競馬・競艇・宝くじ・スポーツ振興投票(toto・BIGといったサッカーくじ)を公認しています。
(例)競馬⇒競馬法、競輪⇒自転車競技法、競艇⇒モーターボート競走法、宝くじ⇒当選金付証票法
※パチンコについては、特別法があるわけではありませんが、風俗営業法2条1項4号に「ぱちんこ屋」として規定されています。
パチンコは風俗営業法のいう「遊技」にあたりますが、遊技の結果に応じて現金又は有価証券を賞品として提供することや客に提供した商品を買い取ることは禁止されています。(風俗営業法23条1項)
また、パチンコの結果に応じて賞品を提供することも禁止しています。(同2項)
そのため、パチンコで勝った人はパチンコ玉を「特殊景品」と交換して、特殊景品を「パチンコ屋とは独立した古物商(景品交換所)」に売って現金を得ます。
そして、古物商は特殊景品をパチンコ屋に売ることで特殊景品がパチンコ屋に戻ってくるという、いわゆる三点方式がなされています。この手法について、今のところ賭博罪の合法性や違法性に言及した裁判例はほとんどありません。
その他、日本人が海外に行ってカジノなどの賭け事をする場合については、違法性が阻却されるとされています。
【贖罪寄付について】
傷害事件や窃盗事件といった「被害者がいる事件」については、示談をするなどして謝罪や賠償を行う弁護活動が考えられます。
しかし、野球賭博のような「被害者がいない事件」や、被害者がいる事件の場合でも「被害者が賠償を拒んでいる」事件については、賠償を行うことが困難です。
そこで、「被害者がいない事件」や「被害者が賠償を拒んでいる」事件では、賠償の代わりに贖罪寄付を行う、という手段があります。
贖罪寄付とは、上記のような場合に、反省などの意思を示す手段として用いられるものです。
贖罪寄付は、日本弁護士連合会や法テラスなどの機関が募っている寄付金です。
贖罪寄付をした場合、贖罪寄付を受け付けた機関から「贖罪寄付証明書」等の証明書が発行され、それを検察官や裁判官に提示することで判断や量刑に考慮してもらう、という仕組みです。
日本弁護士連合会のアンケートによると、贖罪寄付を紹介した弁護士のうち、回答者の8割が情状として考慮されたと回答しています。
【野球賭博などの刑事事件は当事務所まで】
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
当事務所の弁護士は、野球賭博のような被害者がいない事件についても対応しています。
野球賭博をしたことを被疑者が認めているのであれば、身柄解放活動や贖罪寄付などの情状弁護といった弁護活動を丁寧にご説明致します。
神奈川県小田原市にて野球賭博をしたことで常習賭博罪で逮捕され、贖罪寄付をお考えの方がおられましたら、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の弁護士による初回接見サービスをご利用ください。