【報道解説】神奈川県川崎区の盗撮事件 逮捕・勾留後の身柄解放弁護活動

【報道解説】神奈川県川崎区の盗撮事件 逮捕・勾留後の身柄解放弁護活動

盗撮行為で逮捕・勾留された場合の身柄解放のための弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

【刑事事件例】

神奈川県川崎警察署は8月27日、川崎市中原区に住む男子高校生(16)を、性的姿態等撮影未遂の疑いで逮捕しました。
男子高校生は、27日午後5時ごろ、川崎市の駅構内のエスカレーターで、利用客の女性(10代)のスカート内を、スマートフォンで撮影しようとした疑いが持たれています。
同駅員から「他の客が盗撮犯と被害者を連れてきた」と警察に通報して事件が発覚しました。
警察によりますと、地下鉄駅構内のエスカレーターに乗っていた通行人が、10代女性のスカート内を撮影しようとしている男子高校生を目撃し、駅員のもとへ連れて行ったということです。
調べに対し男子高校生は「盗撮したことに間違いありません」と容疑を認めています。
警察は、詳しい事件の経緯や、男子高校生の余罪について調べています。
(令和7年8月28日づけ「STV NEWS」の記事を参考に、一部事実を変更したフィクションです。)

【逮捕後の勾留】

刑事事件の捜査段階では、逮捕されて身柄拘束を受けたままで警察取調べを受ける逮捕・勾留のパターンと、警察署への呼び出しを受けて日帰りの警察取調べを受ける在宅捜査のパターンの2通りが考えられます。

逮捕・勾留のパターンでは、まず逮捕によって2、3日間の身柄拘束があり、その後、検察官による勾留請求を受けて、裁判所が勾留決定を出せば、勾留により10日間(勾留延長により最長20日間)の身柄拘束が続くことになります。

ですので、逮捕・勾留の一連の流れではほぼ1カ月ちかく身体が拘束されることになるため、会社や学校との社会から切り離されることにより、経済的・社会的信用の点で大きなダメージを受けることになります。

【準抗告】

被疑者に対する勾留が決定した後でも、その決定に対して不服申し立て(準抗告)を行うことができます(刑事訴訟法第429条第1項第2号)。
勾留の決定は、単独の裁判官によってなされますが、その裁判官の判断が誤っていることを準抗告で主張し、最初の勾留決定に関与していない3人の裁判官によって改めて勾留の可否が判断されます。

勾留の理由は、勾留状謄本の交付請求により知ることができ、弁護人はその勾留の理由を分析したうえで、勾留の理由(逃亡・罪証隠滅のおそれ等)や勾留の必要性がない勾留決定であることを準抗告で主張する必要があります。

勾留の必要性がないことの主張としては、例えば、扶養家族や定職があることや身元引受人(家族等)の監視が期待できるため逃亡する可能性はないこと、被害者の接点がないため被疑者が被害者に供述を変えるよう迫る可能性はないこと、勾留されることで失職し本人や家族の生活に支障をきたすおそれがあること、などが考えられます。

勾留に対する準抗告が認容されれば、被疑者は釈放され、以降は在宅での捜査となるため、仕事等への復帰も基本的に可能になります。

【勾留取消請求】

準抗告が却下された場合でも、その後の事情の変化により勾留の理由又は勾留の必要性がなくなったと判断される時に、勾留の取り消しを請求することができます(刑事訴訟法第87条第1項)。
勾留取消請求においては、起訴後の身柄拘束からの釈放である保釈とは異なり、保証金などの金銭の納付の必要はありません。

裁判所が勾留の取り消しを認めることが考えられる場合として、勾留決定後の被害者との示談の成立があります。
盗撮事件における被害者との示談の成立は、不起訴処分の可能性を高めるものであり、逃亡や罪証隠滅のおそれを低下させるとともに、それに伴い勾留の必要性を低下させるものであると考えられます。

準抗告の認容と同様、勾留取消請求が認容されれば、被疑者は釈放され、以降は在宅での捜査となるため、仕事等への復帰も基本的に可能になると思われます。

【盗撮で逮捕されたら弁護士へ相談を】

このように、盗撮で勾留決定された場合でも、被疑者の身柄解放を諦める必要はなく、勾留の理由を的確に分析し、適切な弁護活動を迅速に開始することが極めて重要です。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、性犯罪を含む刑事事件を多数取り扱い、盗撮事件での弁護活動により身柄解放を実現した実績が多数あります。
ご家族が盗撮事件で逮捕され不安を抱える方は、刑事事件を専門とする弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所に今すぐご相談ください。

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