【報道解説】刃物による暴行事件で現行犯逮捕 傷害と殺人未遂
神奈川県横浜市の刃物による暴行事件を例に、傷害・暴行事件と殺人未遂事件の違いについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部が解説します。

【報道事例1】
JR東海道線の横浜駅で30代の女性が切りつけられた事件で、傷害の疑いで逮捕された中国籍の女が指輪に仕込まれたナイフで犯行に及んでいたことが新たに分かりました。
この事件は7月28日、JR東海道線の横浜駅のホームで女性(37)の右腕を刃物で切りつけ、軽いけがをさせたとして、中国籍のA容疑者(35)が逮捕されたものです。
その後の警察への取材で、A容疑者は指輪に仕込まれたナイフを使って犯行に及んでいたことが新たに分かりました。
指輪の直径は2センチほどで、ボタンを押すと長さ6ミリほどのナイフが飛び出してくるものでした。
A容疑者は「痴漢の護身用」に身につけていたと説明していて、取り調べに対し、「駅で女性に横入りされてカッとなってしまった」と容疑を認めているということです。
(令和7年8月6日に配信された「TBS NEWS DIG」の記事を参考に、事実を一部変更したフィクションです。当所で受任した事件ではありません。)
【報道事例2】
横浜市港南区の公園近くで、自称ユーチューバーの男性が足を刃物で刺されケガをする事件がありました。
男性を刺した男は刃物を持ったまま逃走しているということで、警察は殺人未遂事件として捜査しています。
8月7日午前5時45分ごろ、横浜市港南区の公園近くの路上で、横浜市に住む自称ユーチューバーの48歳男性が刃物のようなもので右の太ももなどを男に刺されたということです。
男性はケガをしていますが、命に別状はないということです。
男性を刺した男は年齢が60代ぐらいで、現場から刃物を持ったまま逃走しているということです。
男性は刺される直前に男と口論になっていたということです。
警察は男の行方を追うとともに、殺人未遂事件として捜査しています。
(令和7年8月7日に配信された「MBS NEWS」の記事を参考に、犯行場所等の事実を一部変更したフィクションです。実際は大阪府大阪市で発生した事件です。)
【暴行・傷害のケース】
他人に対して、正当な理由が無いにも関わらず、何らかの物理的な力を加えるなどの暴行行為をした場合、暴行罪が成立します。
そしてその暴行の結果、相手がケガをした場合には傷害罪が成立します。
暴行罪の法定刑は「2年以下の拘禁刑若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料」であり、傷害罪の刑事処罰の法定刑は「15年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金」です。
いずれの場合も、暴行の悪質性や被害者の負傷の程度等、違法性に関する事情を総合的に考慮して、法定刑の範囲内で罪の軽重が判断されることになります。
上記報道事例1の場合、指輪に仕込まれた刃の大きさによる危険性や、その目的が痴漢に対する護身用であったこと等を総合的に考慮して、おそらく傷害罪の適用がされたのだと推察されます。
【殺人未遂のケース】
そして、暴行行為の際に、「相手を殺そうとする意思」(殺人の故意)があった場合には、殺人未遂罪が成立する可能性があります。
殺人未遂罪の刑事処罰の法定刑は「死刑又は無期若しくは5年以上の拘禁刑」とされています。
「殺人の故意」とは、「これをやれば、相手が死ぬかもしれないけれども、それでも構わない」と考えて、暴行行為などをした場合にも、(未必の)故意が認められるとされています。
上記報道事例2の場合、加害者は包丁やナイフ等、社会通念上、人を殺害できるレベルの凶器を用いて被害者を攻撃した点から、殺人未遂罪の線で捜査を進めているのだと思われます。
【暴行事件・殺人未遂事件の刑事弁護】
警察の取調べにおいて、事件当時の具体的な暴行行為の程度や、事件発生に至った経緯などを、どう供述するかが、その後の刑事処罰の判断に大きく影響すると考えられます。
事件捜査の初期段階で、刑事事件に強い弁護士と法律相談することで、警察取調べの供述対応を、弁護士とともに検討することが、その後の刑罰軽減のために重要な弁護活動となります。
また、被害者側との示談交渉活動を、弁護士が仲介して行うことで、被害者側からの許しを得られるような示談が成立した場合には、示談成立の事情が、刑事処罰の軽減に影響することが期待されます。
まずは、刃物による暴行事件が発生してから、できるだけ早期の段階で、刑事事件に強い弁護士に法律相談することが重要です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、逮捕当日に、逮捕されている留置場に弁護士を派遣する、弁護士初回接見サービスのご依頼も承っております。
神奈川県横浜市の刃物による暴行事件でお困りの方は、刑事事件を専門に扱っている弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の評判のいい弁護士にご相談ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所 横浜支部は、神奈川県全域、東京23区、多摩地域、山梨県、静岡県を対象に、刑事事件・少年事件に特化した法律サービスを提供しています。
逮捕・勾留の阻止や不起訴の獲得など、多数の実績を持つ弁護士が、依頼者様に寄り添いながら最善の解決を目指します。
無料法律相談・初回接見サービスは24時間受付、土日祝日も即日対応をしており、迅速な対応が可能な体制をとっています。また、オンライン相談や電話相談も行っており、遠方の方やご来所が難しい方にも対応しています。ぜひご相談ください。