【報道解説】ひったくりによる窃盗罪で逮捕 強盗罪の可能性も

【報道解説】ひったくりによる窃盗罪で逮捕 強盗罪の可能性も

神奈川県茅ケ崎市で起きたひったくり事件について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部が解説します。

【報道紹介】

神奈川県茅ケ崎市などでひったくりを繰り返した疑いで、16歳の少年が逮捕されていたことが分かりました。
窃盗の疑いで逮捕された16歳の少年は、今年5月下旬から6月上旬までの間、他の少年と共謀のうえ、神奈川県茅ケ崎市近隣の4カ所でひったくりをした疑いが持たれています。
警察によると、少年は原付バイクで被害者の男性の背後から近づき、自転車の前かごに入れられたバッグなどを盗んでいて、被害総額はおよそ16万円だということです。
少年は「お金がなくてひったくりをすることを思いつきました」と容疑を認めていて、「深夜帯は人通りが少なく、ひったくりがやりやすい」「明け方は通勤の人を狙い、駅の近くでやった」などと供述しているということです。
(令和7年9月2日の「カンテレNEWS」で配信された報道より、事実を一部変更したフィクションです)

【ひったくりはどのような罪に問われる?】

隙をついて被害者の方が持っているバッグや財布と言った金目の物を奪い去る行為を「ひったくり」と言います。

ひったくりをすると、基本的に刑法235条の窃盗罪が成立ますが、被害者の方からバッグなどを持ち去る際に、暴力を用いたり、被害者の方に怪我を負わせてしまったりした場合は、窃盗罪に加えて刑法208条の暴行罪や刑法204条の傷害罪が併せて成立する場合もあります。
窃盗罪の法定刑は10年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金で、暴行罪の法定刑は2年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料、傷害罪の法定刑は15年以下の懲役又は50万円以下の罰金刑となっています。

ただ、具体的な状況によっては、ひったくり行為が更に重い罪が成立する場合があります。
例えば、路上にいた被害者の方が持っていたバッグを後ろからスクーターで近付いて奪い去るというひったくり行為の際に、被害者の方がバッグを奪われまいと抵抗した場合にバッグごと被害者の肩を引きずった上でバッグを奪い去ったというようなひったくりの場合は、相手方の反抗を抑圧する程度の暴行を加えてバッグを奪ったとして刑法236条1項の強盗罪が成立する可能性が高いです。

また、強盗の際に相手に怪我を負わせた場合には刑法240条の強盗致傷罪が、死亡させた場合には同じく刑法240条の強盗致死罪が成立することになります。
強盗罪の法定刑は5年以上の有期拘禁刑で、強盗致傷罪の法定刑は無期又は6年以上の懲役で、強盗致死罪の法定刑は死刑又は無期懲役となっています。

【ひったくりの疑いでご家族が警察に逮捕されてお困りの方は】

ご家族がひったくり事件の容疑者として警察署に逮捕されたということを知った場合は、いち早く弁護士に初回接見に行ってもらうことをお勧めします。
ひったくり事件の場合、先ほど説明したように、具体的にどのようなひったくり行為をしたのかということで成立する犯罪が異なります。

また、仮に、ひったくり行為が強盗致傷罪や強盗致死罪として起訴された場合は、その裁判は裁判員裁判の対象になりますし、裁判員裁判の公判が開かれる前には公判前整理手続という手続が開かれることになりますので、通常の刑事裁判とは異なる流れで裁判が開かれることになります。

初回接見を依頼されることで、初回接見に向かった弁護士から直接、警察署に逮捕されたご家族がどのような罪に問われる可能性があるのか、今後どのような手続きで事件が処理されていくのかといったことについて説明を受けることができますので、今後の見通しを立てることができるようになります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部は、刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。
神奈川県茅ケ崎市で、ご家族がひったくり事件を起こして刑事事件化、または逮捕されてお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部まで一度ご相談ください。

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