【事例解説】窃盗の前科・前歴が複数ある場合の再犯

【事例解説】窃盗の前科・前歴が複数ある場合の再犯

逮捕されてしまったら

神奈川県横浜市の窃盗事件を例に、複数回窃盗罪行ったことがあったり、窃盗罪の前科がある場合における刑事手続きの見込みについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部が解説します。

【事例紹介】

「神奈川県横浜市市に住むAさん(50代)は、横浜市青葉区所在のスーパーマーケットで数点の食料品を商品棚から直接自分のカバンに入れ、商品をレジに通さないで店の外に出たところ、店員に見つかって、警察に通報されました。
Aさんは、通報により駆けつけた神奈川県警青葉警察署の警察官によって、窃盗罪で現行犯逮捕されました。
Aさんの母Bさんが身元引受人となることで、Aさんは勾留されることなく釈放されました。
事件が横浜地方検察庁に送致され、検察官調べに出頭した際、Aさんは「過去に複数回の窃盗罪の前科があり、今回は実刑の可能性もある」と言われました。
Aさんは今回の窃盗罪で刑務所行きになる可能性があると聞いて大変不安になり、刑事弁護に強い弁護士に依頼することを検討することにしました。」
(この事例はフィクションです)

【度重なる万引きや前科の有無による窃盗罪の量刑】

万引きは、刑法235条に規定されている窃盗罪に該当します。
仮に、スーパーでの万引き行為が窃盗罪として起訴されて有罪となってしまうと、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金刑が科される可能性があります。

窃盗罪の法定刑は「10年以下の懲役又は50万円以下の罰金刑」と非常に幅の広く設定されており、窃盗罪で起訴されて有罪が認められた場合、その犯罪行為の様々な側面を考慮して、その事件に対する刑罰の程度(量刑)が決定することになります。

一概に、万引きという窃盗行為をしたからといって、定型的な量刑が決定される訳ではなく、実際の事件の内容によって大きく変わります。
その犯罪行為の違法性が悪質と判断されれば、罰金刑では済まされず懲役刑が科せられ、場合によっては執行猶予がつくこともなく実刑判決がくだされる可能性もあるでしょう。

そこで考慮される事情としては、窃盗の被害金額の大きさ(被害が大きいほど違法性が高い)、犯行態様の計画性(プロの窃盗団など、組織的計画的な犯行である方が違法性が高い)などが考慮されます。

他方、1つの万引き行為自体が大した被害金額でなくとも、日常的・常習的に万引きを行っていたり、過去数年にわたって複数回の罰金刑が科された前科多数の者による再犯(累犯)の場合も、かつて度重なる刑罰が科されたにも関わらず社会に対する反省や更生の意図が見られないとして、より重い法定刑で処罰されていく傾向があります。

必ずしも前科の数に応じて累進的に決定されるものではありませんが、例えば過去2回程度、窃盗罪で数十万円の罰金刑を科された者が更に窃盗罪を犯した場合、その次からは懲役刑による実刑判決が下される可能性を考慮する必要があります。

【万引きによる窃盗罪の刑事弁護】

万引きによる窃盗罪で刑事事件化した場合、被害者に対する謝罪や被害弁償を行い、被害者と示談を取り付け、被害者の処罰感情を和らげることが最も重要です。

前述のとおり、過去に何度も窃盗罪の前科や前歴がある場合、罪を重ねるほどに情状面での処罰の必要性が重く考慮されてしまう傾向があるため、特に被害者との示談締結によって、客観的な違法性を少しでも和らげることが最も効果的です。

過去に万引き等による窃盗罪で複数の前科や前歴をお持ちの方は、刑事事件の示談交渉の経験豊富な弁護士に弁護を依頼して、少しでも示談締結の可能性を高めることをお勧めします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部は、刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所、窃盗罪などの示談交渉を多数経験しております。
神奈川県横浜市で複数の万引きによる窃盗罪の疑いでお悩みの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部まで一度ご相談ください。

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